著者
泉 淳 前嶋 和弘 西山 隆行 馬 暁華 堀 芳枝 渡辺 将人 飯島 真里子 平塚 博子
出版者
東京国際大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

米国のイスラム系は、その内部構成の多様さにもかかわらず、その政治的関与と発言力を拡大させている。これは、米国内の他の少数派集団にも共通する傾向である。しかし、中東・イスラム地域における政治的不安定を反映して、米国内で「イスラム恐怖症」とも呼ばれる現象が顕著となったため、米国のイスラム系はこれへの防御的反応として政治的発言を活発化せざるを得ないという特殊性を持つ。このため、イスラム系は米国の政治外交に積極的な影響を与えるには至っていないが、人権擁護を中心とする社会的諸活動においては大きな進展を見せている。長期的には、イスラム系の政治的関与と発言力は、より積極化するものと考えられる。