著者
長坂 徹也 三木 貴博 松八重 一代 平木 岳人
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01

世界中の電炉鉄鋼メーカーにとって頭痛の種のひとつである電炉ダスト処理問題の解決のために、ダスト性状のオンサイト改質と発生量低減を目指した電炉内へのダスト吹込技術の科学的基礎を確立した。実電炉での現場実験と並行し、実験室規模で溶鋼中あるいは溶鋼上に保持されたスラグ中にダストを吹込み、ダストの発生量および組成を系統的に分析し、その反応機構およびダスト発生削減量を明らかにした。ダスト吹込みによって発生した2次ダストを、報告者らが開発した石灰処理法に供し、ダストからほぼ全ての亜鉛を抽出することに成功した。これらの結果に基づいて、ダスト吹込を協力企業でルーチン化することができた。
著者
平木 岳人
出版者
東北大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

アルミニウム産業の持続可能な発展を指向し、アルミニウムドロス残灰についてその構造的および化学的特性について調査した。そこでは特に、ドロス残灰の簡易アップグレーディング法確立のため、粒径と構成相の関係について明らかにした。ドロス残灰は発生元によらず平均100-200μmの粒径であった。また種類によらず、粒径が大きくなるほど金属アルミニウム含有率は高くなり、窒化物および塩素含有率は低くなる傾向であった。メッシュサイズ200μmのふるいを用いた分離により、効果的に有価な金属アルミニウムを回収しつつ、リサイクルにおいて不純物となりやすい窒化物および塩素含有率を低減可能であることを示した。