著者
平澤 忠
出版者
一般社団法人 日本接着歯学会
雑誌
接着歯学 (ISSN:09131655)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.59-74, 1986-06-05 (Released:2011-06-07)
参考文献数
11
著者
平野 進 齋藤 仁弘 西山 實 平澤 忠
出版者
一般社団法人 日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.12, no.6, pp.759-764, 1993-11-25 (Released:2018-04-05)
被引用文献数
6

市販光重合型コンポジットレジンの乾燥状態と吸水飽和状態における熱的性質について, 室温条件下で測定した.その結果, コンポジットレジンの熱伝導率は0.3〜0.8Wm-1K-1の範囲であった.また, 水分がその熱的性質に影響を及ぼすと示唆された.さらに, 吸水による影響は単純ではなく, フィラーの種類および混入量によって異なることが判明した.シリカが主たるフィラーでは, 吸水飽和状態での熱拡散率および熱伝導率は, 乾燥状態でのそれらに比較して上昇した.しかし, Zrのような元素を含むフィラーでは, 吸水飽和状態での熱拡散率や熱伝導率は, 乾燥状態のそれらに比較して低下した.
著者
平林 茂 平澤 忠 奈須 郁代 中西 敏 三宅 裕昭
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.3, no.5, pp.665-679, 1984-09-25
被引用文献数
29

可視光線重合型コンポジットレジンの硬化体内部のかたさの変化および残留モノマー量の変化を測定し, その重合の不均一性を検討した.その結果, 試料の深さ方向では, レジンの重合率は, 光照射面直下でやや低く, 表面下0.5mm付近で最大となり, 以後深くなるに従い低下する傾向が認められた.また, 試料の水平方向では, 中心部が最も高く, 中心部から離れるに従い低下する傾向が認められた.この重合の不均一性は, 照射時間の延長, および光源をできる限り近づけて照射することによりある程度改善された.化学重合型コンポジットレジンのかたさ(レジンの重合率)を基準とした可視光線重合型コンポジットレジンの臨床的に有効な硬化深さは, 一般に言われる見かけの硬化深さの約30〜40%程度と推察された.光透過性の良い無機質フィラーの含有量の多いコンポジットレジンほど, 残留モノマー量は少なかった.
著者
平林 茂 中西 敏 立野 治雄 三宅 裕昭 平澤 忠
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.350-358, 1984-05-25
被引用文献数
12

前報でその組成について報告した加熱重合レジン9種, ヒートショックレジン3種, 流し込みレジン6種および常温重合レジン1種の計19種の義歯床用レジンの可塑性, 曲げ強さ, 弾性係数, たわみ, 衝撃強さ, 吸水量, 溶解量および色調安定性などの物理的性質を測定し, 比較検討した.全体的にみて, 重合条件の物性に及ぼす影響は大きく, 加熱重合レジンは流し込みレジンおよび常温重合レジンに比較して曲げ強さ, 衝撃強さが高い.ヒートショックレジンは, ほぼその中間の性質を示す.しかし, 架橋剤として1, 4-ブタンジオールジメタクリレートを含有する流し込みレジンの1種は, 他のトリメチロールプロパントリメタクリレートを架橋剤として含有する流し込みレジンに比較して, 従来の加熱重合レジンに匹敵する程度の良好な機械的性質を示す.耐衝撃性レジンは確かに高い衝撃強さを示すが, 反面, 曲げ強さは低く, たわみも大きい.加熱重合レジン中, 餅状期間が長く, その液に架橋剤として21%の1, 3-ブタンジオールジメタクリレートを含する材料は, 最高の抗折たわみ性を示すが, 衝撃強さは低い.流し込みレジン中, その液に親水性モノマーの2-ヒドロキシエチルメタクリレートを約10%含有する材料は, 吸水性が高く, その結果曲げ強さの低下を来した.従来の圧縮成形法に対し, 射出成形法の硬化したレジンの物理的性質に及ぼす効果は特に認められない.