著者
佐藤 誠 平田 幸広 河原田 弘
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.J74-D2, no.7, pp.887-894, 1991-07-25

計算機上での3次元形状モデリングを効率よく行うためのヒューマンインタフェースを実現するには,実際の3次元物体と同じように形状モデルを直接に操作できるような環境を構成することが必要である.このような環境を仮想作業空間と呼ぶ.人間が手を用いて物体を操作する場合,視覚や触覚・力覚などの感覚を無意識のうちに用いている.仮想作業空間を構成するためには,これらの感覚情報を人間に対して統合的に与えることが重要である.そしてこれらはすべて計算機処理により人工的に生成する必要がある.以上のことに基づき,本論文では,仮想作業空間を構成するために必要な入出力装置として,空間インタフェース装置SPIDARを新たに提案する.この装置は,指先の位置情報を得ることができると共に,指先に力覚情報を与えることができる.このSPIDARを用いて3次元形状の生成・加工のための仮想作業空間を構成する.そして,この仮想作業空間での3次元形状の直接操作性に対する力覚情報の効果を調べる実験を行い,その有効性を確認する.
著者
佐久間 正泰 正守 晋 原田 哲也 平田 幸広 佐藤 誠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.363, pp.27-32, 1999-10-18
被引用文献数
13

VR技術の応用例の1つとして教育支援がある。例えば、書道などのように筆の動きやその速度が重要である場合に、お手本を見て学ぶだけではなく、力覚を用いた教示をおこなうことは非常に有効な手段であると考えられる。著者らは、インターネットを介して遠隔で書道教示のできるシステムを開発した。本システムは、SPIDARを用いて力覚を生成し、その力により書道を教示、習得するシステムである。著者らは、実際に日本-ドイツ間で遠隔教示の実験をおこなった。その結果、教示前には日本の文字を知らなかった生徒は、お手本どおりの美しい文字を書けるまでには至らなかったが、筆運びの速度が、より先生のものに近づいたなどの教示効果が見られた。