- 著者
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平田 昂大
小熊 祐子
真鍋 知宏
橋本 健史
- 出版者
- 日本運動疫学会
- 雑誌
- 運動疫学研究 (ISSN:13475827)
- 巻号頁・発行日
- pp.2208, (Released:2023-03-31)
目的:栄区セーフコミュニティの活動の一環として実施されたアンケート調査から,栄区民が自主的に実施している運動・スポーツ中における有害事象(事故・けが)の現状と傾向を捉えることを目的とした。
方法:2017年に栄区が自主的に運動・スポーツを実施している者を対象に実施した「スポーツ活動時に発生した事故・けがに関するアンケート(選択式・自由記述)」から得られたデータを量的・質的に解析を行った混合研究である。回答が得られた518件のうち,解析が可能であった473件を解析対象として実施した。
結果:過去5年間の活動で有害事象があったのは94件(20%)であった。サッカー,バドミントン,バレーボールの順に報告数が多く,下肢の捻挫・靭帯損傷(26件),下肢の筋・腱損傷(20件),頭部・顔面の打撲(7件)が多く発生していた。自由記述の結果からアキレス腱断裂,膝関節前十字靭帯損傷,頭蓋骨骨折,大腿骨骨折,脳出血が発生していた。年代別では,40~50代の筋・腱損傷(16件),60~70代の転倒(11件)が特徴的であった。
結論:地域住民が自主的に実施している運動・スポーツ中において,足関節捻挫などの下肢の傷害や高齢者の転倒といった有害事象が発生していることが明らかとなった。これらに対する予防策,対策を講じる必要性が示唆された。