著者
網代 広宣 小林 雄也 平田 昂大 板野 圭佑 佐藤 慎也 酒井 直也 仲島 佑紀
出版者
一般社団法人 日本アスレティックトレーニング学会
雑誌
日本アスレティックトレーニング学会誌 (ISSN:24326623)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.49-55, 2023-10-31 (Released:2023-11-07)
参考文献数
18

本研究は117名の高校野球選手を対象にCOVID-19感染拡大防止措置が実施された年と前年の傷害発生率を調査し比較した.季節別では,2019年と比較し,2020年の夏季で肩・肘傷害,冬季は足・足部傷害が増加した.各季節のポジション別では,夏季の投手・内野手の肩傷害,秋季で内野手の肘傷害,冬季で外野手の足・足部傷害が増加した.今後は得られた特徴より,傷害予防を講じていく必要がある.
著者
齋藤 梨央 井所 和康 三上 紘史 仲島 佑紀
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.46 Suppl. No.1 (第53回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.G-109_2, 2019 (Released:2019-08-20)

【はじめに・目的】当院では、転倒予防の観点から運動器疾患を有する通院患者を対象とした歩行年齢測定会を実施している。転倒関連自己効力感は、高齢者において身体機能やADL能力の低下、QOLにも影響を与えるとされており、我々は先行研究で運動器疾患を有する患者の転倒歴は転倒関連自己効力感を低下させると報告した。しかし、転倒関連自己効力感の向上に関して有意性のある評価項目は明らかになっていない。本研究の目的は、転倒関連自己効力感に影響を及ぼす評価項目を調査し、その評価項目における具体的な目標値を算出することである。【方法】対象は2017年の歩行年齢測定会に参加した計58名(男性5例、女性53例、平均年齢74±7.6歳、平均身長153.6±6.6cm、平均体重54.8±9.9kg)とした。先行報告より、国際版転倒関連自己効力感尺度(FES-I)は64点満点中24点以上で転倒との関連性が報告されている。歩行年齢測定会にてアンケート調査より日本語版FES-I 24点以上と24点未満の2群に群分けした。調査項目は体組成3項目(身長、体重、骨格筋量)、身体機能10項目(握力、片脚立位予測値・計測値、立ち上がりテスト予測値・計測値、2ステップテスト、Timed Up & Go Test (TUG)、ファンクショナルリーチテスト(FRT)、5m歩行、5mタンデム歩行テスト)の計13項目とした。予測値は、片脚立位5秒保持が可能か、両脚または片脚で何cmの台から立ち上がれるかをテスト実施前に聴取した。統計学的解析は日本語版FES-Iの2群間比較において各調査項目の差をMann-WhitneyのU検定を用いて検討した。さらに、有意差が認められた因子を説明変数としROC曲線分析を用いてカットオフ値を算出した(R2.8.1)。有意水準は5%とした。【結果】日本語版FES-I 24点以上群で有意差が認められた項目は、片脚立位計測値(p=0.02)、立ち上がりテスト予測値(p=0.00)、立ち上がりテスト計測値(p=0.00)の3項目であった。有意差が認められた3項目のROC曲線から得られたカットオフ値、感度、特異度は、片脚立位計測値では26.5秒、62%、76%、立ち上がりテスト予測値では両脚10cm、76%、68%、立ち上がりテスト計測値では両脚10cm、90%、59%であった。【結論】本研究より転倒関連自己効力感の低下した高齢者は、自己効力感低下の原因とされる筋力やバランス能力を反映する片脚立位と立ち上がりテスト予測値・計測値ともに有意に低値を示した。また、予測値は自身の身体機能に対する自信を示し、予測値の低下に伴う転倒関連自己効力感の低下は不必要な活動制限やそれに伴う生活機能低下を招く可能性があることから、実際の身体機能とともに介入が必要である。転倒関連自己効力感に対して運動介入が効果を示すとされ、本研究で算出されたカットオフ値を目標とした評価・運動療法の実施は、身体機能向上による転倒関連自己効力感向上に有用であると考える。【倫理的配慮,説明と同意】本研究は、ヘルシンキ宣言に基づき対象者へ研究の目的・内容を十分に説明し同意を得たうえで行った。
著者
仲島 佑紀 亀山 顕太郎
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.43 Suppl. No.2 (第51回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.1265, 2016 (Released:2016-04-28)

【はじめに,目的】近年,野球選手の投球障害に対する予防の取り組みに関する報告が散見される。また障害予防の観点から選手・指導者に対する検診を実施する地域が増加している。我々は2012年より障害予防の啓蒙活動の一環として少年野球選手を対象に,県内複数地域で障害調査やフィジカルチェックを中心とした野球肘検診を実施してきた。調査結果やフィジカルチェックにおける所見が障害発生にどのように関連するかを追究し,投球障害予防に貢献することを目的として投球障害肘の発症を縦断的に調査し,その発症因子を検討した。【方法】対象は2014年1月,2015年1月の検診に2年連続で参加し,初回検診時に肩肘に現病歴のなかった少年野球選手168名(9-12歳)とした。調査項目は2014年1月から2015年1月までの肘痛発症の有無と,初回検診時に実施したフィジカルチェックとした。フィジカルチェックの項目は,問診情報(①ピッチャー経験の有無・②1週間の総練習時間),局所所見(③肘伸展制限の有無・④肘屈曲制限の有無),柔軟性検査(⑤広背筋テストの可否・⑥踵臀部距離・⑦投球側股関節自動屈曲角度・⑧非投球側股関節自動屈曲角度),上肢機能(⑨上肢挙上位肩外旋角度・⑩肩甲帯内転角度・⑪腕立て伏せの可否),下肢機能(⑫投球側片脚立位テストの可否・⑬サイドジャンプ距離)の計13項目とした。統計解析として肘痛発症の有無を従属変数,フィジカルチェック項目を独立変数として多重ロジスティック回帰分析(ステップワイズ法)を行った。多重ロジスティック回帰分析にて有意な関連(p<0.05)を示した連続変数についてはReceiver operating characteristics(ROC)曲線による分析を行い,カットオフ値を算出した。統計ソフトはR2.8.1を用いた。【結果】肘痛発症例は168名中,39名であった。有意な関連を示した項目は,1週間の総練習時間(p=0.009,オッズ比:1.13,95%信頼区間:1.03-1.24)と柔軟性検査である広背筋テストの可否(p=0.02,オッズ比:2.89,95%信頼区間:1.20-5.96)の2項目が抽出された。総練習時間のカットオフ値は17時間(感度:60.0%,特異度:82.6%,曲線下面積:0.73)であった。【結論】週17時間以上の練習時間は,日本臨床スポーツ医学会の提唱する1日2時間以内の練習時間を上回る結果となった。広背筋テストは両側の肘を合わせ,鼻の高さ以上に挙がるかをチェックするものであり,広背筋の柔軟性・胸郭の伸展動作などが関与する。これらの機能低下は投球動作における,いわゆる「しなり」を減弱させ肘下がりなどを惹起し,肘痛発症の要因となったと考える。障害予防においては,選手や指導者でも簡便に行えるチェック項目の抽出が重要なポイントと考えており,本研究結果は現場でも導入可能であり,障害予防に貢献し得ることが示唆された。
著者
仲島 佑紀 藤井 周 坂内 将貴
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.40 Suppl. No.2 (第48回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.48100654, 2013 (Released:2013-06-20)

【はじめに、目的】鏡視下肩腱板修復術後の早期後療法における腱板機能エクササイズとして等尺性運動が選択され、ホームエクササイズとしても指導することが多い。しかし臨床上、適切な運動負荷量の設定が困難であり、運動時に肩関節周囲筋の過活動など運動習得に難渋する症例を経験する。そのような症例においては前腕や手関節運動を用いた腱板筋群の賦活を行っているが、運動様式の違いによる腱板筋群の筋活動については明らかとなっていない。そこで本研究では肩関節外旋等尺性運動に着目し、運動様式の異なる3種類の腱板機能エクササイズにおける筋活動について、表面筋電図学的に検討することを目的とした。【方法】対象は肩関節に既往のない健常男性17名(25.5±2.1歳)の非利き手側17肩とした。測定筋は棘下筋、小円筋、三角筋前・後部線維とした。測定機器はNoraxon社製Myosystem1400の表面筋電図を使用し、サンプリング周波数は1000Hzに設定した。電極は十分な皮膚処理後に貼付した。測定肢位はすべての運動課題において、外転装具を用いて肩関節外転位、前腕回内外中間位、手関節掌背屈中間位で肘を机上に乗せた坐位とした。運動課題は3種類とし、試行回数は5秒間を3回とした。<1>肩関節外旋等尺性運動(以下、外旋);自家製pulleyを用いて、0.5kg重錘にて肩関節内旋方向の牽引力が加わるよう設定した。抵抗部位を手関節とし、保持させた。<2>前腕回外反復運動(以下、回外);輪ゴムの一方を固定し、一方を母指に掛け、前腕回内外中間位から最大回外位までの反復運動を行わせた。<3>手関節背屈反復運動(以下、背屈);輪ゴムを母指と示指・中指で把持し、手関節掌背屈中間位から最大背屈位までの反復運動を行わせた。<2>と<3>については最大回外位、最大背屈位で輪ゴムが一定の張力となるよう設定し、メトロノームを用いて1秒に1回のリズムで運動を行わせた。解析区間は5秒間のうち中間3秒間とした。筋活動の解析は、各筋の最大等尺性収縮を測定し、得られた筋活動最大値から%MVCを算出した。解析区間で得られた%MVC積分値を筋活動量とし、各運動課題の3試行の平均値を算出した。統計学的解析には2元配置分散分析を用い、各運動様式および各筋活動量を比較検討した。有意水準は5%とした。【倫理的配慮、説明と同意】本研究は当院倫理委員会で承認を得た後に行われた(承認番号2012019)。被験者に対して倫理委員会規定の同意書を用いて研究内容を十分に説明し同意を得た。【結果】各運動課題における筋活動量(%MVC)は、外旋において棘下筋19.6±11.5、小円筋12.0±5.3、三角筋前部2.5±1.4、三角筋後部3.3±1.5、回外において棘下筋22.1±11.2、小円筋14.7±6.0、三角筋前部3.9±2.9、三角筋後部4.3±2.2、背屈において棘下筋18.7±10.1、小円筋13.4±6.2、三角筋前部3.2±2.4、三角筋後部3.8±2.1であった。2元配置分散分析から各筋の筋活動量に主効果が認められ(p<0.01)、各運動様式には主効果が認められなかった(p=0.19)。交互作用は認められなかった(p=0.96)。【考察】本研究結果は、最も高値の筋活動量が棘下筋であり、次いで小円筋、三角筋後部、三角筋前部の順となり、各運動様式においてその傾向が同様であったことを表している。これは本研究運動課題における低負荷外旋等尺性運動と回外や背屈を用いた腱板機能エクササイズがそれぞれ同様の運動効果をもたらす可能性を示唆するものと考える。林らは肩関節ROMエクササイズとしての腱板等尺性収縮の有効性を報告し、また石谷らは、術後早期の腱板機能エクササイズについて、鏡視下腱板修復後のRSD様症状の発生予防や挙上角度の早期改善に有利であること、装具固定期間の等尺性収縮を用いた早期後療法と術後1ヶ月後にエクササイズを開始した群において腱骨接合部癒合不全率に差がなかったと報告している。先行研究からも後療法における等尺性運動は有効であると考える。しかし臨床上、外旋等尺性運動においては運動強度を定めることが困難であり、組織修復期間の過剰な筋収縮のリスクなどを考慮する必要がある。そのため早期後療法として低負荷での筋収縮を行わせるうえで、運動課題が容易である前腕や手関節を用いた腱板機能エクササイズの有用性が示唆された。【理学療法学研究としての意義】腱板機能エクササイズについて表面筋電図学的検討を行ない、各運動様式で筋活動が同様の傾向を示したことは、本研究結果が臨床上、症例に応じた運動療法選択の一助となる可能性が示唆された。
著者
仲島 佑紀 小林 雄也 高村 隆 岡田 亨 戸野塚 久紘 高橋 憲正 菅谷 啓之
出版者
社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
雑誌
関東甲信越ブロック理学療法士学会 (ISSN:09169946)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.78, 2011

【目的】<BR>少年期の野球肘内側障害(以下、内側型野球肘)において、一般に画像上の異常所見により長期の投球禁止となる場合が少なくない。当院では早期より理学療法を施行することで安静期間の短縮を図ってきた。本研究の目的は少年期の内側型野球肘における、画像所見の違いによる競技復帰への影響を調査することである。<BR>【対象】<BR>2005年1月から2010年8月までに当院を受診した小中学生野球選手で内側型野球肘と診断され、競技復帰までの経過観察が可能であった症例のうち、明らかな画像上の異常所見を認めなかった144例をN群、内側上顆骨端核の裂離を有していた248例をS群とした。画像所見における分類は、当院放射線技師により撮影された初診時X線所見を主治医が診断したものを用いた。医師の指示の下、全例初診時より投球禁止と共に理学療法を直ちに施行した。なお、上腕骨小頭離断性骨軟骨炎の合併例は除外した。<BR>【方法】<BR>N群、S群における競技完全復帰率を算出した。さらに両群を完全復帰群(C群)、不完全復帰群(I群)に分類し、N-C群・N-I群・S-C群・S-I群の初診時と復帰時における身体機能の群内比較を行った。、次に復帰時の身体機能、ならびに復帰までの期間N-C群とN-I群、S-C群とS-I群で比較した。身体機能は肘関節可動域、肩甲帯機能(CAT・HFT)、股関節機能(SLR・HIR・HBD)評価を用いた。統計学的処理にはMann-Whitney U検定、Wilcoxon符号順位検定を用いた。なお本研究には当院倫理委員会の承認を得て行った。<BR>【結果】<BR>完全復帰率はN群82%、S群87%であった。N-C群、S-C群においてCAT・HFT・SLR・HIRが初診時よりも有意に改善していた(p<0.01)。N、S群ともにC群がI群に比しCAT・HFT・SLR・HIRが有意に大きかった(p<0.05)。復帰までの期間はN-C群:7.0±4.4週、N-I群:3.1±2.7週、S-C群:7.8±4.5週、S-I群:3.8±4.7週であった。<BR>【考察】<BR>今回の調査では画像所見にかかわらず競技完全復帰は7~8週で80%以上が可能であった。内側型野球肘の投球禁止期間は緒家により様々だが、安静期間における身体機能改善を目的とした理学療法アプローチは、競技復帰への重要な要素であるといえる。I群は機能改善が不十分かつ復帰までの期間が短く、コンプライアンスの悪い例であったと考えられる。競技復帰において画像所見は必ずしも影響するとは言えず、身体機能も含めた包括的な評価により投球再開を医師とともに協議し、症例に呈示していく必要があると思われる。