著者
井上 亮文 平石 絢子 柴 貞行 市村 哲 重野 寛 岡田 謙一 松下 温
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.38-50, 2005-01-15

シナリオの存在するシーンを一般のユーザが撮影する場合,被写体の数が多かったり,撮影環境がそのつど異なったりするため,効果的なカメラワークを事前に計画することは困難である.そこで本論文ではシナリオ情報に基づいてカメラワークを自動的に計画する手法を提案する.撮影対象としてオーケストラ演奏を想定し,シナリオである楽譜から被写体の候補を決定する方法と,各カメラのショットを決定するための優先度の計算方法を定義している.実際にショットを接続して1 本の映像を編集する実験の結果,提案手法はシナリオや優先度を考慮しないショットで編集したものよりも変化に富んだ映像を制作できることが分かった.また,カメラの配置に適応したショットを提示できることが分かった.
著者
井上 亮文 吉田 竜二 平石 絢子 重野 寛 岡田 謙一 松下 温
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.212-221, 2004-01-15
参考文献数
14
被引用文献数
8

本研究では,映画の映像理論に基づく対面会議シーンの自動撮影方式を提案する.対面会議シーンの撮影には複数のカメラを用いる必要があるが,位置的に離れたカメラの映像でスイッチングを行うと急激な変化が生じ,視聴者が参加者の位置関係の認識に混乱を来たす.提案手法では,人物の位置関係を明確にする映像理論であるイマジナリーラインを設定および解除する方法と,参加者の対話シーンを強調する三角形配置に従った撮影用カメラの決定方法を定義している.実験では正確なイマジナリーラインを冗長な部分があるものの70¥%の確率で設定でき,映像表現に影響を与えるような検出ロスは少なかった.アンケートによる比較実験では,人手でスイッチングしたものと比べて位置関係の見やすい映像を自動生成できたことが確認された.In this paper,an automatic shooting method for face-to-face meeting scene based on grammar of the film language is proposed.Shooting a meeting scene requires multiple video cam- eras,however,viewers may get confused in case of switching shot between spatially distant cameras.To shoot participants effectively,we introduce two filming theory into automatic shooting method.The dectection of the メimaginary line モmakes spatial relationships of the participants clear.The determination of the メcamera triangle モfigures out the conversation of the participants.Although there remains some redundancies,the detection ratio of the ideal imaginary line was 70%,the loss of which had less effects on the video image.The comparative experimental result indicated the availability.