著者
平賀 裕子 渡邉 千之
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.296-312, 2022 (Released:2022-03-22)
参考文献数
13

大腸EMRは外来で日常的に施行されている内視鏡手術であり,粘膜内(Tis)癌の治療にも有用である.EMRはESDに比べ,時間も費用も通電ダメージも患者にやさしいが,スネアリング時に正常粘膜が全周性に含まれたかどうかの確認と切除深度のコントロールが難しいという欠点がある.その手軽さ故に一度に多数の病変のEMRをすることも多いが,この欠点を踏まえて,一つ一つの病変に対して,スネア切除直後に潰瘍底と潰瘍辺縁の観察をしなければならない.まず潰瘍底の状態を見て,穿孔や出血・露出血管の有無を確認し,次に潰瘍辺縁を残存病変がないか拡大観察で確認することが有用で,わかりにくい時は画像強調や色素撒布も用いる.特に分割EMRの場合には辺縁のみならず分割の継ぎ目も丁寧に観察し,病変の遺残を認めた場合や疑わしい場合は追加治療を行う.後出血リスクのある潰瘍に対してはクリップ閉鎖などの後出血予防が必要であり,通常のクリップ閉鎖が困難な場合も種々の内視鏡的縫縮術が選択可能である.大腸EMR前だけでなく後にも十分な観察と必要な処置を加えることが,外来での安全で堅実な内視鏡治療を行うために必要である.
著者
平賀 裕 斎藤 善行 森島 繁生 原島 博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HC, ヒューマンコミュニケーション
巻号頁・発行日
vol.93, no.439, pp.1-8, 1994-01-26
被引用文献数
25

音声に含まれる基本的感情を分析するため、演劇経験者に感情を込めて単語音声・短文音声を発声してもらい、それぞれに関して分析を試みた。本研究では扱う感情を「怒り」「喜び」「悲しみ」「嫌悪」の4種とし、「平静」音声と比較を基に今まであまり行なわれていなかったピッチ周波数・振幅の変化パターンの検討を中心に分析を行った。またより豊かな感情分析のためにFMラジオから感情音声を採取し、主観評価した後同様の検討を加えた。その結果、矛盾点も皆無というわけではなかったが、相互に多大なる共通項を見いだすことが出来た。