著者
波多野 和夫 広瀬 秀一 中西 雅夫 濱中 淑彦
出版者
日本失語症学会 (現 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会)
雑誌
失語症研究 (ISSN:02859513)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.140-145, 1994 (Released:2006-06-06)
参考文献数
13
被引用文献数
5 2

反復性発話あるいは常同性発話の概念を整理し,さまざまな特徴を取り上げて,それによる分類を試みた。本稿では,この概念は可能な限り広く設定されており,反復言語,滞続言語のみならず,反響言語,再帰性発話などをも包含している。このような現象論としての症状学に立って,吃音症状,CV再帰性発話,部分型反響言語,音節性反復言語,語間代を含む音節レベルの反復性発話をまとめて検討した。特に,このうちの語間代 (Logoklonie) の問題に焦点を当て,自験症例の報告を通じて,その成立に関与する要因を検討することにより,発現機制に関する考察を試みた。