著者
神戸 信人 尾高 慎二 康 楠 中村 英樹 森田 綽之
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.I_1017-I_1025, 2015 (Released:2015-12-21)
参考文献数
5

近年,我が国では,地域の自発的な取り組みによりラウンドアバウトの社会実験や導入事例が増え,平成25年6月には道路交通法の一部を改正する法律が成立し,ラウンドアバウトが環状交差点として法的に位置付けられた.一方,未だラウンドアバウトの導入事例が少ないため,ラウンドアバウトを導入する際に必要となる,自動車や横断歩行者・自転車の交通状況の実測値を踏まえた交通容量上の判断基準は明確になっていないのが現状である.本研究では,ラウンドアバウト運用のされている既存円形交差点やラウンドアバウト社会実験での観測データを用いて,実現交通量の特性を分析した上で,軽井沢町六本辻ラウンドアバウトで観測された交通容量に関する考察を行うとともに,提案されている横断歩行者等を考慮した流入部交通容量推定式との比較を行う.
著者
田中 皓介 外村 健太 寺部 慎太郎 栁沼 秀樹 康 楠
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.75, no.5, pp.I_135-I_142, 2019 (Released:2019-12-26)
参考文献数
15

近年の日本では,国民が持つ土木への否定的な印象が指摘されている.既往研究では新聞報道の公共事業に対する批判的な傾向が明らかにされてきた一方で,例えば,殺人等の報道においては容疑者が,「会社員」ではなくあえて「土木作業員」と表記される事例も散見されるが,こうした報道も土木に対して間接的に否定的な印象を与えることが懸念される.そこで本研究は,土木に対する否定的な世論の形成要因を探るに当たり,犯罪報道の中でも特に凶悪犯罪報道における容疑者の職業表示を対象に報道状況を分析した.その結果,土木建設業関係者による犯罪の報道は,他の職業と比べても高頻度で見られた.しかしそれは土木建設業従事者がそもそも多く,犯罪者数もまた多いことによるもので,報道が偏向していることを示す結果ではなかった.
著者
寺部 慎太郎 一井 啓介 柳沼 秀樹 小野 瑞樹 田中 皓介 康 楠
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.75, no.5, pp.I_669-I_679, 2019 (Released:2019-12-26)
参考文献数
37

観光客の回遊行動の把握は,従来はアンケートによる調査やGPSを用いた調査に依っていたが,近年ではWi-Fiパケットセンサーを用いた調査がなされている.本論文の目的は,Wi-Fiパケットセンサーを用いて歩行者や観光客の行動を把握し分析した研究論文をレビューすることと,それを踏まえて筆者らの取り組みからまだ発表されていない分析例を提示することである.特に,歩行が主な交通手段である比較的狭い地域内での観光スポット間OD交通量は従来の手法ではなかなか得にくいものである.そこで,1年目から3年目における2日分の成果を比較する.3時点のセンサー設置地点間のODパターンを比較したところ,その相関係数は高いものの少数のOD交通量が多いため,当センサーで得られたデータの範囲内では必ずしも類似性があるとはいえないことが分かった.