著者
佐藤 努 廣吉 直樹 小暮 敏博
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

産地の異なる汚染土壌の約4万粒子を詳細に調べたところ、放射性セシウムを濃集している粒子の割合はわずか0.3%であった。また、これら濃集粒子は、風化雲母の凝集体、有機物と風化雲母の複合体、風化雲母片であり、様々な構成鉱物の中で風化風雲母片が最もセシウムを濃集できることは、吸着実験結果とも整合的であった。観察した土壌からはガラス球状物質は見出されなかったので、セシウムの主たるホストは風化雲母と結論された。この風化黒雲母は磁気分離可能なことから、ポールミルや超音波等により風化黒雲母片を解砕し、磁選によって効率的に回収することで、合理的な減容化が可能となることが判明した。
著者
川崎 了 廣吉 直樹
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

土や岩の代表的なセメント物質の1つである炭酸カルシウムを主成分とし, 自然の土の中に生息する微生物の代謝活動を利用した環境に優しく新しい遺構, 遺物, 石造文化財などの保存材料(強化材料, 接着剤, 補填材料など)を作製した。また, 作製した保存材料を使用した土の力学・水理学特性およびその使用前後における微生物の菌数と帰属分類群について調査し, 新たに作製した保存材料の有効性について評価を実施した。その結果, 保存材料として有効であるとの見通しが大略得られた。