著者
畠 俊郎 川崎 了 菊池 喜昭 森川 嘉之 水谷 崇亮 金田 一広
出版者
富山県立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

沿岸域における社会基盤施設を対象とし,微生物機能の活用により強度増進・遮水性向上および自己修復効果を得る新しい維持管理・機能更新技術について検討を行った。国内外でのビーチロックを対象とした現地調査と,人工ビーチロック形成試験から以下の結果が得られた。1)ビーチロックのセメント物質としてカルシウム,マグネシウム,シリカおよび鉄が期待できる。2)海域由来のSporosarcina aquimarinaを用いることで,砂地盤の強度増進効果と液状化被害抑制が期待できる.
著者
川崎 了
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究の目的は,海岸域の自然材料(微生物,海水,海砂,貝殻片など)を用いてCaCO3の析出により固化した人工ビーチロックを作製し,港湾岸壁のコンクリートの一軸圧縮強さ20~30 MPa程度を1カ月程度で達成する基本技術を新たに開発し,その有効性を確認することである。国内の海岸域においてウレアーゼ活性が高い尿素分解菌を探索した結果,沖縄県や北海道などの土質試料よりCaCO3析出に適した菌株が発見された。また,砂供試体の室内加速固化試験を実施した結果,試験開始から3週間後に針貫入試験による推定一軸圧縮強さ約20 MPaが得られた。結論として,新たに開発された技術の有効性が確認された。
著者
川崎 了 廣吉 直樹
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

土や岩の代表的なセメント物質の1つである炭酸カルシウムを主成分とし, 自然の土の中に生息する微生物の代謝活動を利用した環境に優しく新しい遺構, 遺物, 石造文化財などの保存材料(強化材料, 接着剤, 補填材料など)を作製した。また, 作製した保存材料を使用した土の力学・水理学特性およびその使用前後における微生物の菌数と帰属分類群について調査し, 新たに作製した保存材料の有効性について評価を実施した。その結果, 保存材料として有効であるとの見通しが大略得られた。