著者
田丸 恵理子 竹内 孝行 中村 新一 廣瀬 吉嗣
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.409-420, 2009-01-15

人間の知的活動を支援するためには,思考の邪魔をしないインタフェースが必要である.これに対して,紙のように自然な「読み書き」を支援する新しいメディアの研究を,電子ペーパからのアプローチで進めている.ここで最大の技術的課題は,電子ペーパの技術的な特質からくる「表示の遅延時間」をどのように扱うかである.そこで,遅延時間がユーザに与える影響を理解するための評価実験を行った.その結果,対象に対して下線を引いたり円で囲んだりするマーキング行為と手書きで文字を書く行為とでは,それぞれ遅延時間に対する感度が異なり,受容性の度合いに差異が見られた.また,対象への注意の向け方,視線や身体の動きなどに関して,各々に特徴的な行動特性が抽出された.この差異を効果的に利用して遅延時間をマネジメントすることで,技術的制約を乗り越え,紙の良さを保持した新しいメディア・インタラクションを提供することが可能であることが示唆された.
著者
大山 努 蓮池 公威 田丸 恵理子 廣瀬 吉嗣
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.51, pp.302-303, 2004-05-30

In order to show people information effectively, it is necessary to know human's characteristic. We examined the method of effective information presentation based on a space, which is the bank's test branch, using a user's eye-movement and behavior. From this case study, we showed that the problem of information presentation might be able to be extracted by considering the relation between informational role and fixation number, fixation time of eye movement. We got a possibility that information could be received from the analysis of eye movement and behavior.
著者
蓮池 公威 大山 努 田丸 恵理子 廣瀬 吉嗣
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.51, pp.300-301, 2004-05-30

In this paper, we explore a method for observing user's behavior and analyzing interaction along the user's activity, employing eye movement protocols. We think we can enhance our interaction analysis method by using eye movement protocols as an intermediate object for communicating with users. Based on this idea, we applied this method to an evaluation of renewal design for a bank branch. From this case study, we can understand how users interact with artifacts and information spread over the space, and what are the key points for better user experiences.
著者
廣瀬 吉嗣 田丸 恵理子 蓮池 公威 大山 努
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.51, pp.304-305, 2004-05-30

Some frameworks have been suggested as approaches to evaluate a design of store space. These frameworks integrate Kansei, eye-movements and behaviors of consumers. This research focuses on those framework approaches, especially the evaluation method of space image. Specifically, it presents a case study that provides the evaluation of a bank's pilot branch that has been reconfigured. This study performs kansei-evaluation on the pilot office from various points of view to find possible perception differences between the company and customers, and reports on an approach to design a more customer-oriented branch office of the bank.
著者
田丸 恵理子 廣瀬 吉嗣 蓮池 公威 大山 努
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.F18, 2004 (Released:2005-06-15)

インターネットの普及によって、仮想スペース上での商品の売買がさかんになる一方、物理的な店舗空間の意味の再考が求められている。店舗は単に商品を売るという場所から、新しいサービスを提供する場へと変化が求められている。このような背景から考えると、店舗を評価する際、「ユーザ体験」という観点からの捉えなおしが必要となってくるであろう。店舗という空間は、単に建造物そのものとして成り立っているのではなく、むしろ、人と空間とのインタラクションで構築されていると言える。それゆえに、空間のデザインや評価は、物理的な空間を評価することではなく、そこでのユーザの体験を評価することである。このような観点から、われわれは感性評価、視線分析、インタラクション分析を融合し、店舗のような空間でのユーザ体験を評価・分析するフレームワークを提案する。さらに、本フレームワークを、新しいコンセプトに基づいて構築された銀行の試験店舗に適用し、この店舗空間がどのような顧客の新しい体験を創出できるのかを評価した。この結果から、本フレームの有効性を確認した。