著者
飯岡 由紀子 大場 良子 廣田 千穂 森住 美幸 小菅 由美 真鍋 育子 清崎 浩一 馬場 知子 関谷 大輝 小倉 泰憲 儀賀 理暁 黒澤 永
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.1-10, 2023 (Released:2023-01-24)
参考文献数
32

【目的】「多職種連携におけるコーディネート力尺度(MCAS)」を開発し,がん医療に携わる医療専門職を対象に信頼性と妥当性を検討することである.【方法】MCAS原案を作成し,医療専門職などを対象に内容妥当性・表面妥当性を検討した.さらに,医療機関に勤務しがん医療に携わる医療専門職者を対象に横断的質問紙調査を行った.探索的因子分析,既知グループ法,α係数算出,併存妥当性を検討した.研究倫理審査の承認を得て行った.【結果】MCASは探索的因子分析により4因子([討議を促進する力][基盤となる関係構築][セルフコントロール][課題解決に向けた取り組み])33項目となった.多職種連携研修会参加有,経験年数が長いほうがMCAS得点は有意に高かった.尺度全体および各因子のα係数は.80以上だった.併存妥当性検討は中程度の相関だった.【結論】MCASは尺度開発段階として信頼性と妥当性が概ね確保された.
著者
飯岡 由紀子 中山 祐紀子 渡邉 直美 田代 真理 榎本 英子 髙山 裕子 廣田 千穂 秋山 正子
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.89-95, 2019 (Released:2019-06-03)
参考文献数
15

本研究の目的は,看護師を対象にEnd-of-Life Careの実践を支援するリフレクションプログラムを開発し,その効果と実現可能性を検討することである.ファシリテーター主導リフレクションプログラム(FRP)と,カードを用いたリフレクションプログラム(CRP)を開発した.緩和ケアに関する知識・態度・困難感尺度と自己教育力尺度の平均得点をプログラム前・直後・3カ月後で測定し,得点の変化をFRPとCRPで比較した.倫理審査委員会の承認を得て行った.FRPは9名,CRPは15名のデータを分析した.FRPはCRPと比較して緩和ケアに関する困難感が有意に低下し,知識が有意に上昇した.また,FRPの群内においても同様の結果が得られた.FRPもCRPもプログラム評価は高く実現可能性は高いと考えられた.今後は,アウトカム指標の検討,サンプル数を増加し,効果をより明確にする必要がある.