著者
武 寛 伴場 主一 大原 美奈子 林田 晃寛 廣瀬 英軌 廣畑 敦 山本 桂三 吉田 清 大江 透
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.47, no.SUPPL.1, pp.S1_105, 2015 (Released:2016-12-14)

軽度の漏斗胸を認める16歳男性. 高校入学時よりボクシング部に入部. 練習で初めて胸部にパンチを受けた際に失神. AEDで心室細動を認め, 電気的除細動を施行. 神経学的後遺症なく回復し, 精査のため当院紹介. 12誘導心電図では, 高位助間で不完全右脚ブロックを認めるも, サンリズム負荷は陰性, 加算平均心電図も陰性であった. 心エコーでは, 左室収縮能は良好で, 冠動脈CTでも異常は認めなかった. 心臓MRIでは器質的心疾患はなく, 遅延造影も陰性であった. 電気生理学的検査で, 右室心尖部, 右室流出路からの3連期外刺激を行うも心室細動は誘発されず. 漏斗胸のためCT上, 胸骨後面は右室前面に接しており, 胸部へのパンチが心臓振盪を引き起こしたと考えられた. 心臓振盪を再現するために, 心室単回期外刺激をR on Tとなるタイミングで行ったが, 最大3連発の心室期外収縮を認めるのみであった. ボクシングの練習中に心臓振盪を起こした漏斗胸の1例を経験したので報告する.