11 0 0 0 OA 右心機能評価

著者
林田 晃寛
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.45, no.7, pp.768-772, 2013-07-15 (Released:2014-09-16)
参考文献数
9
著者
武 寛 伴場 主一 大原 美奈子 林田 晃寛 廣瀬 英軌 廣畑 敦 山本 桂三 吉田 清 大江 透
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.47, no.SUPPL.1, pp.S1_105, 2015 (Released:2016-12-14)

軽度の漏斗胸を認める16歳男性. 高校入学時よりボクシング部に入部. 練習で初めて胸部にパンチを受けた際に失神. AEDで心室細動を認め, 電気的除細動を施行. 神経学的後遺症なく回復し, 精査のため当院紹介. 12誘導心電図では, 高位助間で不完全右脚ブロックを認めるも, サンリズム負荷は陰性, 加算平均心電図も陰性であった. 心エコーでは, 左室収縮能は良好で, 冠動脈CTでも異常は認めなかった. 心臓MRIでは器質的心疾患はなく, 遅延造影も陰性であった. 電気生理学的検査で, 右室心尖部, 右室流出路からの3連期外刺激を行うも心室細動は誘発されず. 漏斗胸のためCT上, 胸骨後面は右室前面に接しており, 胸部へのパンチが心臓振盪を引き起こしたと考えられた. 心臓振盪を再現するために, 心室単回期外刺激をR on Tとなるタイミングで行ったが, 最大3連発の心室期外収縮を認めるのみであった. ボクシングの練習中に心臓振盪を起こした漏斗胸の1例を経験したので報告する.
著者
前濱 智子 林田 晃寛 久米 輝善 和田 希美 渡邉 望 根石 陽二 川元 隆弘 豊田 英嗣 大倉 宏之 吉田 清
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.40, no.Supplement3, pp.121-126, 2008-07-30 (Released:2013-05-24)
参考文献数
7

症例は61歳,男性.1997年から全身性強皮症と診断され,加療されていた.膠原病性肺高血圧症が急速に進行し,2006年から在宅酸素療法およびボセンタンを導入された.2007年6月,自宅で突然心肺停止となった.家人による心臓マッサージを受け,救急隊が装着した自動体外式除細動器(AED)にて心室細動が確認され,除細動2回目で心肺停止から約25分後に自己心拍の再開を認めた.来院時GCS:1-1-1で除脳姿勢を呈していたが,軽度低体温療法を行った結果,若干の記憶障害が残るものの,意識はほぼ清明となるまで回復した.原因検索の際の冠動脈造影検査にて虚血性心疾患は否定されたため,全身性強皮症の心病変による心室細動であったと診断し,植込み型除細動器を植え込み,約1カ月後に退院した.今回われわれは,強皮症による心筋障害が原因と思われる心室細動をきたし,AEDにて蘇生された貴重な症例を経験したので文献的考察を加え報告する.
著者
中島 康佑 永田 和之 大下 智也 村木 亮介 有道 真久 平岡 有努 林田 晃寛 吉鷹 秀範 坂口 太一
出版者
一般社団法人 日本体外循環技術医学会
雑誌
体外循環技術 (ISSN:09122664)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.81-87, 2017 (Released:2017-07-04)
参考文献数
13
被引用文献数
1

経皮的心肺補助管理中に発生する合併症の一つに、溶血がある。溶血発生要因の中に、遠心ポンプの過剰な揚程(陽圧・脱血回路圧[陰圧])運用が言われており、適切な評価・対応が重要であると考えられる。しかしながら、当院においても明確なcut off値の基準が定められていない。そこで2012年から2015年までの経皮的心肺補助を必要とした101例を対象とし、管理1日目の血液検査結果において溶血と記録されたものを溶血有とし、後ろ向きに溶血発生要因に関する因子の検討を行った。結果、溶血有と記録された症例は27例(26.7%)であった。溶血無群と比して、溶血有群において、有意に高い遠心ポンプ揚程(512.9±181.8mmHg、333.4±120.1mmHg;p<0.0001)、脱血回路圧(陰圧)(-317.6±170.9mmHg、-156.7±108.0mmHg;p<0.0001)を認め、溶血の独立リスクの一因子と考えられた。また、これらの因子のreceiver-operator curve解析を行うと揚程430mmHg以上、脱血回路圧(陰圧)-270mmHg以下が溶血リスクのcut off値として算出された。更に溶血有群において急性腎障害発生率(60%[14/23]vs. 13%[7/52];p<0.0001)と有意に上昇していることからも、溶血回避を含めた対策が重要であると考えられた。