- 著者
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後藤田 宏也
田口 千恵子
内山 敏一
有川 量崇
山内 里央
小林 清吾
佐久間 汐子
上江洲 香實
- 出版者
- 有限責任中間法人日本口腔衛生学会
- 雑誌
- 口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
- 巻号頁・発行日
- vol.55, no.3, pp.159-164, 2005-07-30
半導体レーザーを用いたう蝕診断器: DIAGNOdent^[○!R]は非破壊的に微細なう蝕病変を検出できるため, 初期う蝕または前臨床う蝕の診断に使用できることが期待される.臨床診断におけるDIAGNOdent^[○!R]の有用性はいくつか報告されているが, 小窩裂溝部におけるSticky感の有無との対応を検討したものはない.Sticky感の有無はシーラントなど積極的予防処置適応歯の条件として有用とされてきたが, この判定に歯科用探針を用いることに問題があった.そこで今回われわれは, Sticky感の有無とDIAGNOdent^[○!R]測定値の関係について, 臨床評価や使用基準を評価する目的で小学校児童を対象に臨床疫学的な検討を行った.その結果, DIAGNOdent^[○!R]値のCut-off pointを設定し, 敏感度と特異度を検討した結果, Cut-off pointを15, 20, 25, 30としたときのSticky(+), Sticky(-)のそれぞれの敏感度は0.89, 0.78, 0.63, 0.48, 特異度は0.61, 0.74, 0.80, 0.84となった.またDIAGNOdent^[○!R]値20でのCut-off pointにおけるkappa値は0.49と最大で, 陽性反応適中率は60%, 陰性反応適中率は87%となった.Sticky感のない健全歯の検出に比較的高い有効性が認められた.