- 著者
-
御子柴 克彦
- 出版者
- 独立行政法人理化学研究所
- 雑誌
- 基盤研究(S)
- 巻号頁・発行日
- 2008
細胞外からの刺激によりIP_3 が産生され、IP_3 受容体に結合しCa^<2+>を放出し様々な生理機能を引き起こす。3次元構造解析等により、IP_3 やCa^<2+>がアロステリックな構造変化を起こし、チャネルポアーの開口を起こす機構を解明した。IP_3 受容体は、我々が発見したERp44, GRP78, 80K-H 等多くの分子の分子間相互作用を促すシグナルハブ(拠点)として多様な働きをする事を示した。また、IP_3 がIP_3 受容体に結合すると放出される3rd メッセンジャーとしてのIRBIT を発見し、酸・塩基平衡をはじめとする多様な機能を制御する事を発見した。以上、IP_3 受容体が多様な生理的働きをし、且つ、その障害により神経変性、学習障害、心発生障害、骨粗鬆症、自己免疫疾患、急性膵炎等の各種の多くの疾患を引き起こす機構を解明した。またこの為に世界最高感度のCa^<2+>指示薬、Ca^<2+>ポンプ指示薬の開発、二光子顕微鏡によるインビボイメージング技術等の開発を行った。