著者
徳永 恵津子 柴田 哲男
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.330-334, 2020 (Released:2020-04-01)
参考文献数
22

サリドマイドの催奇形性はS型の光学異性体に起因し, R型サリドマイドは催奇形性を持たない.しかし,R型のサリドマイドであっても,生体内でS型とR型の等量混合物(ラセミ体)に変化してしまうことから,サリドマイドは現在もラセミ体で流通している.では,ラセミ化するにもかかわらず,なぜ,R型サリドマイドには催奇形性が見られなかったのか.一筋縄ではいかない光学異性体の挙動に迫る.