著者
早渕 仁美 徳田 洋子 松永 泰子 黒谷 佳代 武見 ゆかり
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.74, no.5, pp.128-140, 2016 (Released:2016-11-16)
参考文献数
27
被引用文献数
3

【目的】「日本人の食事摂取基準(2015年版)」の考え方を食事バランスガイドに反映させ,食事バランスガイドの料理区分別サービング数(以下,「SV」と略)を算定し直し,エネルギー産生栄養素バランスの目標量に合致するか確認する。【方法】日本人の食事摂取基準(2015年版)で設定されたエネルギー産生栄養素バランスの目標量に留意し,料理区分別SVを食品構成の考え方に基づき算定する設定条件を見直した。たんぱく質のエネルギー産生栄養素バランス(以下,「たんぱく質%E」)と穀類エネルギー比率,及び5料理区分以外(菓子・嗜好飲料等)からのエネルギー(以下,「他Ene」と略)の条件を見直し,矛盾のない妥当な設定基準範囲について検討した。【結果】 設定条件の見直しによる基準エネルギー範囲の料理区分別SVの変化と,そのSVに基づき算出したエネルギー産生栄養素バランス(%E)と食塩量の分布を明らかにした。基準エネルギー 1,200~3,200 kcalに,たんぱく質%E16.5~14.5,穀類エネルギー比率38.0~45.0%,他Ene 0~100 kcalを設定して算定した料理区分別SVを用いた栄養価が,最も日本人の食事摂取基準(2015年版)に適合していた。【結論】見直し後の食事バランスガイドSVは,主食が 1 SV程度低値,主菜は 2 SV程度高値に,副菜と牛乳・乳製品,果物は現状とほぼ同値になった。