著者
古川 康一 升田 俊樹 西山 武繁 忽滑谷 春佳
出版者
嘉悦大学
雑誌
嘉悦大学研究論集 (ISSN:02883376)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.29-44, 2013-03-20

本論文では、チェロの奏法について、多くのプレーヤーに納得できるような奏法を、スキルサイエンスの立場とプロのチェリストの経験を融合させて追及した試みについて報告する。具体的には、スキルサイエンスの研究者である第1著者とプロのチェリストである第2著者の論争とコラボレーションを通して、如何にして余分なエネルギーを使わない、体に無理のない運弓法に関する新たな知見が得られたのかを見ていく。本論文で取り上げる論争のテーマは、すばやい動作を含む困難な課題をこなすために、「首を振る」動作を意図的に行うべきか否か、という問題である。このテーマについて、第1著者が生体力学的な視点からプラスの評価を与えているが、第2著者は経験知からマイナスの評価を与えている。その論争を解決するためのいくつかの試みについて述べる。第1に、インタラクティブ・インタビューと呼ばれる著者らが開発したインタビュー法により、議論の中から問題点を抽出する試みについて述べる。第2に、生体力学的な考察に欠落していた鞭動作の起動に関する考察と、その実現方法についての新たな知見を紹介し、それが論争の一部を解決できることを示す。
著者
忽滑谷 春佳 諏訪 正樹 浦上 咲恵 原 野枝 福島 宙輝
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.27, 2013

「体験」の記述・分析手法は知能科学の最重要課題である.体験は,現象を構成する物理的要素(もの)とそれに対する主観的な意味解釈(こと)から成り立つ.からだメタ認知は個々人の体験を内部観測的に記述できる手法であるが,ことば化は「こと」に偏り「もの」を捨象しがちである.本研究では,「もの・こと」双方の厚い記述をするための4つの手法,及び「もの・こと」に基づく分析手法を開発・提案する.
著者
忽滑谷 春佳 諏訪 正樹
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

インタビューは個人の思考を知る手段として汎用される.自然科学主義ではインタビュアーの恣意的介入を避けてきたがインタビュアーとの積極的なインタラクションこそがインタビュウィーの身体性に富んだナラティブを創出し得る.本研究ではメモツールhexを用いたインタビュー手法を提案する.変数を記したhexの自由配置と配置関係の検討・再配置をインタビュウィーとインタビュアーが協同することでナラティブ創出を図る.