著者
古川 康一
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.263-264, 2009 (Released:2010-09-10)
著者
古川 康一 植野 研 尾崎 知伸 神里 志穂子 川本 竜史 渋谷 恒司 白鳥 成彦 諏訪 正樹 曽我 真人 瀧 寛和 藤波 努 堀 聡 本村 陽一 森田 想平
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.117-128, 2005 (Released:2005-02-04)
参考文献数
52
被引用文献数
4 4

Physical skills and language skills are both fundamental intelligent abilities of human being. In this paper, we focus our attention to such sophisticated physical skills as playing sports and playing instruments and introduce research activities aiming at elucidating and verbalizing them. This research area has been launched recently. We introduce approaches from physical modeling, measurements and data analysis, cognitive science and human interface. We also discuss such issues as skill acquisition and its support systems. Furthermore, we consider a fundamental issue of individual differences occurring in every application of skill elucidation. Finally we introduce several attempts of skill elucidation in the fields of dancing, manufacturing, playing string instruments, sports science and medical care.
著者
北上 始 國藤 進 宮地 泰造 古川 康一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.26, no.11, pp.p1283-1295, 1985-11-15

人工知能の応用として知られているエキスパートシステムを作成するためには, 知識の表現, 獲得, 利用といった機能を支援する知識ベース管理システムが必要である. 本論文では, このシステムの構成法及び要素技術についての研究成果を報告している. 本知識ベース管理システムのインプリメンテーションは, 論理型プログラミング言語Prologで実施することを前提としている. 知識ベースの構造は, 著者らによって提案された次のような論理構成をとっている. 知識ベースを構成している各フレーム(知識の集合体)は, 主として次の五種の知識に分類されており, 知識ベースの拡張性を十分に反映できるように構成されている. 五種の知識としては, (1)構造化知識, (2)プログラム化知識, (3)制約型知識, (4)メソッド型知識, (5)辞書型知識がある. (1), (2)はオブジェクト知識, (3), (4), (5)はメタ知識とも呼ばれている. (1)の構造化知識は, 自然言語の分野で知られる概念階層関係を採用しており, (2)のプログラム化知識は, (1)で表現された知識を補うとともにそれを利用した種々のルールを表現している. (3)の制約型知識には, 動的に整合性を維持するためのtrigger型のメタ知識や, 矛盾検出用のinconsistencyの型のメタ知識があり, これらはメタ推論機能を使って容易に評価実行することができる. 特にtrigger型のメタ知識は, 自然言語処理の分野で知られる因果関係を表現するのに十分な機能をもっていることが述べられている. (4)のメソッド型知識は, 著者らが, 主に知識獲得と呼んでいる機能を提供するためのメタ知識である. ここでは, オブジェクト・レベルとメタ・レベルの二種類の知識獲得が存在することを述べている. また, 知識獲得時に, 制約型知識の評価実行を行うためのタイミングを制御するために, トランザクションという概念の導入が大切であることを述べている. (5)の辞書型知識は, データベースの分野のデータ辞書を拡張した知識であり, 知識ベース管理の処理効率向上及び種々のインタフェース向上のために利用される.
著者
古川 康一 金城 啓太 澤井 啓吾
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第18回全国大会(2004)
巻号頁・発行日
pp.215, 2004 (Released:2006-02-11)

チェロ演奏における運弓動作には、下げ弓と上げ弓があるが、演奏する弦によってそれらの動作が異なると思われる。本論文では、実験を通して、それらの相違点を明らかにし、合理的な運弓動作の原理を明らかにすることを目的とする。また、これらの運動と、テニスなどの動きとの関連性についても論じる。また、基本動作のエネルギー効率について考察し、疲労度が少ない奏法を提案する。
著者
古川 康一 升田 俊樹 西山 武繁
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.1O1OS64, 2012

<p>弦楽器の運弓動作は、曲が要求する状況に合せて腕を振りながら弓を操作する動作である。同様の動作には野球のバッティング、投球、テニスのストロークなどがある。これらの動作の第1の共通点は体幹の力の上肢への鞭のような伝達方式であり、第2は動作自身の習熟の困難性である。本論文ではそれらの動作の習熟支援のための言葉に注目し、それら言葉を収集・整理するとともに、省エネルギーの観点から動きの力学的な考察を行う。</p>
著者
古川 康一 升田 俊樹 西山 武繁 忽滑谷 春佳
出版者
嘉悦大学
雑誌
嘉悦大学研究論集 (ISSN:02883376)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.29-44, 2013-03-20

本論文では、チェロの奏法について、多くのプレーヤーに納得できるような奏法を、スキルサイエンスの立場とプロのチェリストの経験を融合させて追及した試みについて報告する。具体的には、スキルサイエンスの研究者である第1著者とプロのチェリストである第2著者の論争とコラボレーションを通して、如何にして余分なエネルギーを使わない、体に無理のない運弓法に関する新たな知見が得られたのかを見ていく。本論文で取り上げる論争のテーマは、すばやい動作を含む困難な課題をこなすために、「首を振る」動作を意図的に行うべきか否か、という問題である。このテーマについて、第1著者が生体力学的な視点からプラスの評価を与えているが、第2著者は経験知からマイナスの評価を与えている。その論争を解決するためのいくつかの試みについて述べる。第1に、インタラクティブ・インタビューと呼ばれる著者らが開発したインタビュー法により、議論の中から問題点を抽出する試みについて述べる。第2に、生体力学的な考察に欠落していた鞭動作の起動に関する考察と、その実現方法についての新たな知見を紹介し、それが論争の一部を解決できることを示す。
著者
五十嵐 創 植野 研 尾崎 知伸 森田 想平 古川 康一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告知能と複雑系(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.30, pp.1-6, 2003-03-13
被引用文献数
1

チェロ演奏スキルは,訓練によって獲得される,筋骨格系の整合的な一連の動作を行う能力であり,、身体知の一種である.身体知の獲得の目的は,演奏,踊り,各種のスポーツなどのスキルを向上させることである.身体知のもんだいは,それが暗黙的であり,職業演奏家や,プロスポーツプレイヤーが自身で何をおこなっているのかを把握できない点である.本研究の目的は,身体知をモデル化し,その暗黙知を言語化することである.本論文では,特に基本的なチェロ演奏スキルのひとつとして,しなやかな弓の返し動作を取り上げ,そのモデル化にベイジアンネットワークを用いることを検討した.ここでは,その基本構想を明らかにする.In this paper, we discuss the problem of modeling human skill in Bayesian network. The purpose of skill modeling is to use the model to improve performances in such activities as playing instruments, dancing, and playing various kinds of sports. The difficulty of human skill analysis comes from its tacitness: even professional viloinists or cellists do not know how they are playing. This paper defines a basic framesork of the research by proposing possible representations and structures of the Bayesian networks for human skill, and by defining the purpose of model usage. We furthermore discuss how to assign conditional probability tables in each node of the proposed Bayesian networks by accumulating obserbational data by a motion capturing system as well as by a surface electromyogram. We also discuss how to compare profeessional players with amateurs using Bayesian network representations.
著者
古川 康一 升田 俊樹 西山 武繁
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.545-552, 2012-02-15 (Released:2012-02-27)
参考文献数
8

チェロのスピッカートは,その習得が非常に困難なことが知られている.本論文では,はじめに,スピッカート奏法の力学モデルとして,強制振動モデルを導入し,その妥当性を検証する.さらに,同モデルの代表的な例であるブランコ漕ぎとまりつきを取り上げ,それらの運動のアナロジーから,二つの重要な力学的条件,すなわち,強制振動におけるエネルギーの補充のタイミング,および,力を加える際のショックを吸収するクッション動作の重要性を指摘する.さらに,練習とメタ認知,および専門家との意見交換を通して,それら二つの力学的条件を満たすための奏法上のコツを明らかにする.最後に,スピッカート奏法の要素技術間の関係を推論図式によって明らかにする.
著者
古川 康一 植野 研 五十嵐 創 森田 想平 尾崎 知伸 玉川 直世
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第17回全国大会(2003)
巻号頁・発行日
pp.217, 2003 (Released:2004-02-03)

楽器の演奏を例として、暗黙的な身体知を言語化するために、熟達者の演奏をモーションキャプチャリングシステム、筋電図などで測定し、データから法則性を抽出するための方法論を展開してきたが、その過程で、幾つかの有用な知見が明らかになり、今後の発展の可能性が見えてきた。具体的には、運動学と運動力学の両面からのアプローチにより、見かけはほぼ同じでも異なる筋肉の使い方によって、技巧的な動きとそうでない動きが区別できることが明らかとなった。また、スキルを競合する動きでの制約充足問題として捉えることにより、その解明の可能性が示された。その過程で、たとえば弓の返しや弓の弦移動をスムーズに行う方法、左手のポジションチェンジをすばやく正確に行う方法などを発見できた。これまでに得られた新たな発見は、必ずしもデータマイニングによる自動発見ではないが、その枠組み、実験手法、モデル化手法、制約充足による形式化、筋骨格系の役割、筋肉の利用の種々のモードの重要性の発見、柔軟な運動を実現するための視点、重心の役割、メンタルモデルの重要性などが明らかになった結果として、われわれ自身の洞察によって得られたものである。しかし、その過程を通して得られた知見は、今後のスキルの自動発見につながる、背景知識の整備を行ったことになると考えられる。本テーマは、認知科学、人工知能、生体力学、脳科学などが深く関わったテーマであり、それ自体興味深いが、さらに時系列データマイニングなどの技術を使うことによって、身体知の解明が進むものと期待できる。本テーマは、楽器の演奏に限らず、ゴルフなどのスポーツにも広く応用できると期待される。身体知の解明は、今後の新たなビジネスの創造にも貢献できると期待される。
著者
古川 康一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.710, pp.33-40, 2002-03-07
参考文献数
12

人間は訓練によって,楽器演奏,スポーツなどの身体動作に関わる技や,囲碁,将棋などの頭脳ゲーム,高度な専門知識,あるいは,もっと一般的に単に言葉を話すなどの技能を身につけることができる.しかし,それらの技能については,その仕組みを言葉で表すことができない.そのため,これらの技能に関わる知を暗黙知と呼んでいる.暗黙知は,元々,言語化が困難であるので,その言語化を目指すのは無謀と思われるかも知れないが,我々は,暗黙知の言語化が高度な機械学習の1つである帰納論理プログラミングによって可能であると考え,幾つかの問題を取り上げて,実証を試みた.その一つは,「電子メールの分類ルールの自動抽出」であるが,これは元々エキスパートシステムの領域において知識獲得の問題として取り上げられていたものである.従来,そのような知識獲得は専門家に対するインタビューを通して獲得されていたが,それを最新の機械学習の考え方で実現するものである.また,身体的な技能の例として,チェロの演奏での技巧の解明を取り上げた.そこでは,筋電図,呼吸センサ,およびモーションキャプチャリングシステムにより技巧的動作を測定し,その技術の秘密の解明に迫った.また,思考に関連する例として,幼児の言語獲得のモデル化の実現を図った.これらの実験を通して,帰納論理プログラミングによる暗黙知の言語化の可能性を明らかにした.
著者
古川 康一 升田 俊樹 西山 武繁
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第25回全国大会(2011)
巻号頁・発行日
pp.3D2OS89, 2011 (Released:2018-07-30)

チェロのスピッカート奏法は、ブランコ漕ぎやバスケットボールのドリブルのような、周期的に外力を与えて振動を持続させる強制振動の一種であるが、その習得は容易ではない。本論文では、文献のサーベイ、メタ認知、力学モデル、着眼点の発見、あるいは、専門家との意見交換などが本スキルの習得にどのように貢献したかについて論じる。また、その習得過程のビデオによる記録について考察する。

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著者
古川 康一 ICOT
雑誌
人工知能学会誌 = Journal of Japanese Society for Artificial Intelligence (ISSN:09128085)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.379, 1988-05-20
著者
川本 竜史 古川 康一
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第18回全国大会(2004)
巻号頁・発行日
pp.230, 2004 (Released:2006-02-11)

本研究の目的は、サッカーにおけるインサイドキックのスキルを解明することである。本研究では、モーションキャプチャで計測した身体運動の時系列データをもとに、統計モデルを用いてインサイドキックスキルの決定要因を抽出した。この結果、インサイドキックの誤差(エラー)は、インパクト直後の蹴り足の足部角度にきわめて強く依存しており、この再現性の獲得が正確なインサイドキックのスキル獲得の本質であることが示唆された。発表では、身体運動へのデータマイニング法の応用による「スキルサイエンス」の可能性についても言及したい。
著者
古川 康一 升田 俊樹 西山 武繁
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.25, 2011

チェロのスピッカート奏法は、ブランコ漕ぎやバスケットボールのドリブルのような、周期的に外力を与えて振動を持続させる強制振動の一種であるが、その習得は容易ではない。本論文では、文献のサーベイ、メタ認知、力学モデル、着眼点の発見、あるいは、専門家との意見交換などが本スキルの習得にどのように貢献したかについて論じる。また、その習得過程のビデオによる記録について考察する。
著者
古川 康一 升田 俊樹 西山 武繁
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

弦楽器の運弓動作は、曲が要求する状況に合せて腕を振りながら弓を操作する動作である。同様の動作には野球のバッティング、投球、テニスのストロークなどがある。これらの動作の第1の共通点は体幹の力の上肢への鞭のような伝達方式であり、第2は動作自身の習熟の困難性である。本論文ではそれらの動作の習熟支援のための言葉に注目し、それら言葉を収集・整理するとともに、省エネルギーの観点から動きの力学的な考察を行う。