著者
秋田 美穂 恒川 和久
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.4_59-4_68, 2018-03-31 (Released:2018-03-31)
参考文献数
27

本研究は、建築の設計教育を受講する学生を対象に、学生が課題提出のために描いたスケッチの描画や記述に注目することで、設計の際に意識している対象を知り、学習成果を得ている事例を把握することを目的とする。 建築系大学において、多くの大学で初期段階に実施されている立体を構成する課題や住宅を設計する課題提出のために描かれたスケッチの描画や記述の数と成績の関係を探った。また、描画や記述を時系列で具体的にみることで、設計の際に意識しているものを調査した。 調査より、学習成果としてスケッチの描画の状態でも幅や奥行きそして高さなどの寸法を表記することや、スケッチの描画に人を表記している傾向がみられた。また、3次元に着想し、立体を構成する導入段階での課題から敷地を設定することで、設計の際に有用な方法とされている敷地や敷地周辺も視野にいれて設計を進めていく事例も把握した。
著者
恒川 和久 松岡 利昌
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

過去の日経ニューオフィス賞応募資料によるコンセプトとオフィス空間の分析から、近年のオフィスでは「コミュニケーション」がより重視され、その活性化を促すことが、場の形成の大きな動機となっている。インフォーマルコミュニケーションから、打合せなどをさまざまな場で行えるような空間の増加・多様化に焦点が向けられていることがわかった。また、観察調査から、業務の指向性に基づくワークスタイルによって、ワーカーの行動は異なり、オフィス空間の違いと同様に行動に影響を及ぼしていることがわかった。ワーカーに高い自主性が求められるオフィスでは、行動の自由度がより高い場が求められている。