著者
川東 美菜 藍場 元弘 戎谷 友希 河野 友晴 柳澤 幸夫 橋田 誠一
出版者
徳島文理大学
雑誌
徳島文理大学研究紀要 (ISSN:02869829)
巻号頁・発行日
vol.96, pp.23-33, 2018-09-09 (Released:2019-02-20)
参考文献数
31
被引用文献数
1

【背景】食後高血糖改善を目的に,食後の運動が推奨されている。しかし,高齢や運動機能に問題があり積極的に運動を行えない人が多く存在する。そこで我々は,電気刺激療法による筋肉運動に着目し,食後の血糖値およびインス リン分泌の抑制効果について検討を行った。【方法】対象者は健常な女子学生9 名(年齢:20.8±1.3 歳,BMI:22.5 ± 3.2 kg / m 2)。それぞれ,安静,20 分間電気刺激(EMS)および20 分間トレッドミルによる歩行運動(TM)を行い,75 g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)後の血糖値とインスリン分泌を検討した。【結果】血糖値は,安静時と比較し,EMSおよびTMで同程度の低下傾向がみられた。インスリン分泌量も同様に,EMSはTMと同程度またはそれ以上の低下傾向を示した。【結論】EMSはTMと同じような食後血糖値およびインスリン分泌の抑制効果が確認できた。 EMSはTMよりも簡便かつ低い運動強度で実施できるため,十分な運動が行えない対象者への適用が期待される。