著者
藍場 元弘 川東 美菜 河野 友晴 戎谷 有希 藤本 侑希 橋田 誠一
出版者
徳島文理大学
雑誌
徳島文理大学研究紀要 (ISSN:02869829)
巻号頁・発行日
vol.96, pp.45-56, 2018-09-09 (Released:2019-02-20)
参考文献数
18

【目的】食後高血糖は放置すると糖尿病を発症しやすく,心血管疾患のリスクとなるため,早期に改善しなくてはならない。食後血糖値の上昇は食品の食する順番によって抑制できることから,簡便な指導法として広く導入されてきた。そのため本論文では,より効果的な食べる順番について検討を行った。【方法】 健康な学生を対象とし,ご飯,タンパク質,野菜を用い摂取内容を変え実施した。摂食後,血糖値と尿中インスリンを測定し,食べる順番の効果を評価した。 【結果】野菜やタンパク質をご飯より前に摂取することにより血糖上昇の抑制がみられた。また,尿中インスリン量はタンパク質の摂取により増加し,野菜の摂取も尿中インスリン量が増加傾向となった。 【結論】タンパク質を多く含む食品や野菜をご飯の食べる前に摂取することにより,食後高血糖が抑制されることが示された。また,炭水化物以外の摂取でもインスリンの分泌が増加する可能性が示唆された。
著者
川東 美菜 藍場 元弘 戎谷 友希 河野 友晴 柳澤 幸夫 橋田 誠一
出版者
徳島文理大学
雑誌
徳島文理大学研究紀要 (ISSN:02869829)
巻号頁・発行日
vol.96, pp.23-33, 2018-09-09 (Released:2019-02-20)
参考文献数
31
被引用文献数
1

【背景】食後高血糖改善を目的に,食後の運動が推奨されている。しかし,高齢や運動機能に問題があり積極的に運動を行えない人が多く存在する。そこで我々は,電気刺激療法による筋肉運動に着目し,食後の血糖値およびインス リン分泌の抑制効果について検討を行った。【方法】対象者は健常な女子学生9 名(年齢:20.8±1.3 歳,BMI:22.5 ± 3.2 kg / m 2)。それぞれ,安静,20 分間電気刺激(EMS)および20 分間トレッドミルによる歩行運動(TM)を行い,75 g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)後の血糖値とインスリン分泌を検討した。【結果】血糖値は,安静時と比較し,EMSおよびTMで同程度の低下傾向がみられた。インスリン分泌量も同様に,EMSはTMと同程度またはそれ以上の低下傾向を示した。【結論】EMSはTMと同じような食後血糖値およびインスリン分泌の抑制効果が確認できた。 EMSはTMよりも簡便かつ低い運動強度で実施できるため,十分な運動が行えない対象者への適用が期待される。
著者
宮澤 友輔 梅原 麻子 平島 由絵 林 しの 塩田 洋 橋田 誠一
出版者
徳島文理大学
雑誌
徳島文理大学研究紀要 (ISSN:02869829)
巻号頁・発行日
no.77, pp.19-28, 2009-03

We developed highly sensitive enzyme immunoassay for insulin that allowed the measurementof insulin in urine and dried blood on filter paper. As a result of having comparedurinary insulin with blood insulin after OGTT, serum insulin levels by dried blood on filterpaper at 60 minutes were significantly correlated with total urinary insulin value during120 minutes (p<0.01).Subsequently we compared an insulin level in the morning urine from three groups ofnon-diabetic non-obese subjects, non-diabetic obese subjects and the diabetic patients,respectively. The total insulin value in urine of the non-diabetic obese subjects was significantlyhigher than both of non-diabetic non-obese subjects and the diabetic patients(p<0.05). On the other hand, by the correction with the urinary creatinine, the increasethat was more significant than non-diabetic non-obese subjects was found in both of nondiabeticobese subjects and the diabetic patients (p<0.01).From these results, urinary insulin in the morning is a good marker for the risk of diabetesmellitus and may be effective in determining which patients need exercise guidanceand nutritional education.