著者
成澤 朋之 江原 雅人 原田 雅典 海野 まりえ 金子 雅明 仲島 日出男
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
pp.NSKKK-D-23-00002, (Released:2023-04-13)

本研究では高灰分粉の使用による国産小麦を原料としたパンの味・香り成分の変化を確認した. LC/MSおよびGC/MS測定の結果, 共通して高灰分粉20 %以上の置換により呈味成分や揮発性成分の傾向が分かれた. 高灰分粉の添加により, アミノ酸の含有量およびアルコール類やラクトン類といった発酵生成物と考えられる化合物群の面積値が増加した. また, メイラード反応生成物も高灰分粉の添加により面積値が増加した. 官能評価において, 国産小麦のパン用小麦粉の特徴を表す単語として「甘味」や「塩味」などが, 高灰分粉40 %置換の特徴を表す単語として「焦げ臭」や「酸味」, 「えぐみ」などが選定された. 高灰分粉の添加により発酵生成物やメイラード反応生成物が増加しており, これらの化合物群が高灰分粉添加のパンの官能評価特性に影響を与えていることが示唆された. 高灰分粉をパンの添加材料として活用することで, 低コストで従来のパンとの風味差別化を図ることが可能になると考えられる.
著者
成澤 朋之 仲島 日出男 海野 まりえ 乙部 千雅子 山田 昌治 朝倉 富子
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.9, pp.315-323, 2020-09-15 (Released:2020-09-25)
参考文献数
23

Flavor is one of the important factors for udon, white salted Japanese noodles. Using gas chromatography/mass spectrometry, we analyzed the volatile compounds from the flour, dough, and boiled noodles to clarify the mechanism of udon flavor formation. Hydrocarbons were the main compounds from the flour, while aldehydes and ketones were the main compounds from the dough and noodles. These aldehydes and ketones are presumed to be generated from the enzymatic oxidation of unsaturated fatty acids by lipoxygenase (LOX) upon the addition of water. LOX activity was significantly higher in the cultivar Norin61 than in Satonosora. In conclusion, the characteristic volatile compound profiles of Norin61 are due to differences in LOX activity. These results have been applied to the development of new value-added noodle products by various companies.