著者
成澤 朋之 江原 雅人 原田 雅典 海野 まりえ 金子 雅明 仲島 日出男
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
pp.NSKKK-D-23-00002, (Released:2023-04-13)

本研究では高灰分粉の使用による国産小麦を原料としたパンの味・香り成分の変化を確認した. LC/MSおよびGC/MS測定の結果, 共通して高灰分粉20 %以上の置換により呈味成分や揮発性成分の傾向が分かれた. 高灰分粉の添加により, アミノ酸の含有量およびアルコール類やラクトン類といった発酵生成物と考えられる化合物群の面積値が増加した. また, メイラード反応生成物も高灰分粉の添加により面積値が増加した. 官能評価において, 国産小麦のパン用小麦粉の特徴を表す単語として「甘味」や「塩味」などが, 高灰分粉40 %置換の特徴を表す単語として「焦げ臭」や「酸味」, 「えぐみ」などが選定された. 高灰分粉の添加により発酵生成物やメイラード反応生成物が増加しており, これらの化合物群が高灰分粉添加のパンの官能評価特性に影響を与えていることが示唆された. 高灰分粉をパンの添加材料として活用することで, 低コストで従来のパンとの風味差別化を図ることが可能になると考えられる.
著者
金子 雅明 岡崎 倫江 上條 史子 上田 泰久 柿崎 藤泰 桜庭 景植
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.27-31, 2011 (Released:2011-03-31)
参考文献数
28
被引用文献数
2

〔目的〕足部・足関節アライメントに着目しACL損傷の危険肢位とされる膝関節軽度屈曲・外反および着地直前および直後の下肢筋群筋活動との関係を明確にし,予防や再建術後プログラムの指導に役立つ指標を示すことを目的とした。〔対象〕健常成人男性27名を対象とした。〔方法〕左片脚着地後の最大膝関節屈曲角と外反角,着地直前直後の筋活動,下肢アライメント評価として,脛骨捻転角,thigh foot angle,leg-heel angle,navicular drop testを計測した。〔結果〕navicular drop testの値が小さい場合,左片脚着地後の最大膝関節外反角が大きくなるとともに着地直前直後の半腱様筋の筋活動が大きくなった。〔結語〕navicular drop testの値が小さいことは,ACL損傷の危険肢位である膝関節外反を生じる可能性が高い選手を把握する指標になることが示唆された。