著者
成瀬 悟策
出版者
The Japanese Group Dynamics Association
雑誌
教育・社会心理学研究 (ISSN:0387852X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.135-148, 1967-03-31 (Released:2010-03-15)
参考文献数
11

脳性麻痺に基本的な行動特徴としてみられる過度緊張を解消, 軽減させるものとして, 弛緩行動というものを考え, それをもたらすための有効な方法としての催眠による弛緩効果を, 筋電図その他の指標によって確かめるとともに, 充分な弛緩は, 催眠に限らず, 覚醒のままでも, 体系的に弛緩を進めれば, それが可能であることを明らかにした。しかも, 一時的な弛緩だけでなく, それを持続させ, あるいは, 任意に弛緩できるようにするためには, 弛緩行動の学習がなされねばならず, それには弛緩感覚の獲得と, 自己弛緩の学習が必要なこと, および, そのための手続きの幾つかを資料とともに述べた。また, こうした弛緩に伴なって明らかになった問題として, 脳性麻痺と呼ばれる運動的disabilityに二種類が区別され, ことにprimary disabilityの判定が機能訓練には大切なこと, およびsecondary disabilityの最も特徴的なものとして定型化成が挙げられ, この定型のblockingが弛緩行動のためにも, その後の機能訓練にも重要なことが述べられた。

1 0 0 0 催眠面接法

著者
成瀬悟策著
出版者
誠信書房
巻号頁・発行日
1968