著者
成田 麻衣子
出版者
昭和女子大学
雑誌
昭和女子大学大学院日本語教育研究紀要
巻号頁・発行日
vol.2, pp.83-89, 2004-04-30

本稿では、「ケド」に含まれる話し手の気持ち・「ケド」で終わることによる機能・「ケド」が表れた後の聞き手の反応について明らかにしたいという目的で分析を行った。本稿は、日本語母語話者の「ケド」で終わる文の談話分析の結果を踏まえて、話し手の「ケド」で終わる発話が談話の中でどのような働きをしているのか、話し手のどのような思いからこのような「ケド」で終わる発話がなされるのか、また、「ケド」で談話を終わらせることが聞き手にどのような影響を与えるのかについて考察したものである。自然な発話に近い談話をデータとして使うため、生放送のトーク番組・ドラマでの談話をデータとして使用した。その結果、130ヶ所に「ケド」で終わる文が観察された。「ケド」で終わることによる機能・「ケド」に含まれる話し手の気持ちとしてそれぞれ6種類に、「ケド」が表れた後の聞き手の反応として7種類に分類されることが分かった。今後、本稿での分析結果を少しでも日本語教育の現場で役立てることができるよう、さらに研究を進めていきたい。
著者
中尾 彰太 成田 麻衣子 比良 英司 勝原 和博 松岡 哲也
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.521-527, 2015-06-30 (Released:2015-06-30)
参考文献数
7

大阪府泉州二次医療圏においては,改正消防法の施行に先立ち,平成21年4月より実施基準に準じた救急医療体制を構築し運用を開始したが,その後も搬送先選定困難例は増加した。この対応策として,地域メディカルコントロール協議会の検証会議において,搬送先選定困難例を個別検証し,問題点を分析した。その結果,救急医療体制自体の問題点に加え,消防の病院前活動や医療機関の受入れ対応に関する問題点が指摘され,その多くが実施基準の抵触に集約されることが明らかになった。問題点の内容は,救急医療体制の改善に資する情報として利用することを目的に,文書で関係機関に周知した。このような情報共有体制の整備により,当医療圏における搬送先選定困難例は,平成22年度の195例から,平成25年度には38例まで減少した。搬送先選定困難例の個別検証と情報共有は,問題点を明確にし,受入れ状況の改善を目指すうえで有用である。