著者
戸川 直希 佐藤 翔輔 今村 文彦
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.74, no.2, pp.I_493-I_498, 2018 (Released:2018-11-10)
参考文献数
10

防災訓練に参加することによる効果・効用については,様々な側面から評価されている.2016年は8月には台風第10号,11月には福島県沖で発生した地震に伴う津波等の災害があった.本研究では,これらのイベントにおいて,それ以前に参加した防災訓練時の経験が活かされたかや,訓練通りの行動ができたかといった,実災害時の対応行動への効果を評価した.その結果が次の3点である.1)訓練時の想定と実災害が一致する場合には一致しなかった場合に比べて,訓練時の経験がより活かされていた傾向がある.2)訓練時の想定と実災害が異なっていても訓練時と同様の行動がとれる可能性がある.3)津波災害時は高齢なほど,台風災害時では若いほど訓練時の経験が活かされて,訓練通りの行動ができていた.