著者
藤巻 裕蔵 戸田 敦夫
出版者
公益財団法人 山階鳥類研究所
雑誌
山階鳥類研究所研究報告 (ISSN:00440183)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.183-195, 1981
被引用文献数
2

1.帯広市の都心から郊外の住宅地,郊外の落葉広葉樹林の4調査地の鳥類について1977,1980両年の5月下旬~7月中旬に調査した。<br>2.記録された鳥類は(A)林で39種,(B)林や空地のある住宅地で33種,(C)樹木の多い住宅地で23種,(D)都心部で9種で,植被率が減少するにしたがって種数は少なくなった。<br>3.林での優占種はアオジ,ゴジュウカラ,アカゲラ,ニュウナイスズメ,ハシブトガラ,シジュウカラなど森林性,灌木林性鳥類であったが,住宅地では,スズメ,カワラヒワ,ドバト,ハクセキレイなどが優占していた。<br>4.種多様度は林でもっとも大きく,都心部の住宅地で最小で,植被率が減少するにしたがって小さくなった。<br>5.各調査地の鳥相の類似性は調査地CとDの間でもっとも高く,ついでこれら両調査地とBで高く,Aの鳥相はどの調査地とも類似性は低かった。
著者
藤巻 裕蔵 戸田 敦夫 吉田 真二
出版者
Yamashina Institute for Ornitology
雑誌
山階鳥類研究所研究報告 (ISSN:00440183)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.67-69, 1979-01-30 (Released:2008-11-10)
参考文献数
7

日本鳥類目録第5版によると,繁殖期にハギマシコとギンザンマシコが記録されているのは,大雪山と利尻岳だけである。われわれは1975,1976両年の6,7月に日高山系と茅室岳と日高幌尻岳七ツ沼付近で鳥類調査を行ったが,その際ハギマシコとギンザンマシコを観察した。斉藤(1970)は「日高山脈学術調査報告書」に,日高山脈とその周辺の鳥類のリストを示し,その中にハギマシコをあげているが,年月日,場所を記していない。日高山脈における繁殖期のハギマシコとギンザンマシコのはっきりした観察例は,今回のわれわれの報告が最初のものと思われる。またギンザンマシコは,つがいで見られたところから,七ツ沼付近で繁殖している可能性がある。