著者
戸田 美希 本山 泰士 内山 福美 江木 盛時 溝渕 知司
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.280-283, 2022-07-01 (Released:2022-07-01)
参考文献数
11

欧州旅行中にギランバレー症候群を発症し人工呼吸管理を要する患者が,本邦での治療を希望し,ICUに入室した。入室時,デクスメデトミジン1.9 μg/kg/hr,ミダゾラム0.9 mg/kg/hr,プロポフォール1.3 mg/kg/hr,レミフェンタニル0.27 μg/kg/min,プレガバリン300 mg/day,クエチアピン300 mg/day,トラゾドン150 mg/dayが投与されていた。これらの薬剤の中止,減量に伴い,激しい体動,頻呼吸などの症状を呈し,当科が集中治療管理を依頼された。デクスメデトミジン,プロポフォール,ミダゾラムの静脈投与でも良好な鎮静が得られなかったため,ケタミン50 mg単回投与の後に,ケタミン0.53 mg/kg/hrで持続投与を開始したところ,良好な鎮静状態が得られた。離脱症候群を疑い,ケタミン持続投与下にフェンタニルの投与を開始,ミダゾラムの持続投与を再開,デクスメデトミジンの持続投与を増量し,各薬剤を漸減中止した。入院15日目に一般病棟へ転棟,入院47日目にリハビリテーション目的に転院となった。