著者
杉村 真美子 竹本 正明 金澤 将史 今村 友典 中野 貴明 戸部 有希子 伊藤 敏孝
出版者
日本救急医学会関東地方会
雑誌
日本救急医学会関東地方会雑誌 (ISSN:0287301X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.275-277, 2018-12-31 (Released:2018-12-28)
参考文献数
3

症例は, 14歳女子2人。2カ月ほど前から2人で自殺することを計画してインターネットで情報を集め, 通販サイトで浮揚用のヘリウムガスを購入していた。ヘリウムガスをビニール袋で互いに吸わせ合ったが死ねず, 警察へ連絡し, 警察から救急要請となった。ヘリウムガスを密閉状態で吸入できていなかったため, 身体的にも検査上も明らかな異常は認めなかった。様子観察のため入院としたが問題なく, 精神科診察の後, 退院となった。浮揚用のヘリウムガスには酸素が添加されていないため, 密閉状態で吸入すると窒息死する。この情報はインターネットで気軽に得ることができ, さらにインターネットの通販サイトで誰でもヘリウムガスを気軽に入手することが可能である。今回のように若年者でも身元確認なく手軽に購入できるため注意が必要であり, 早急な対策が必要である。