著者
玉井 朝子 出口 芳樹 安楽 理香 沼田 洋輔 洲加本 孝幸 戸門 洋志 永田 良一
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本トキシコロジー学会学術年会 第34回日本トキシコロジー学会学術年会
巻号頁・発行日
pp.5178, 2007 (Released:2007-06-23)

<目的>安全性薬理コアバッテリーとは生命機能における薬物の作用を検討することであり,新薬開発に必須とされている。通常,心血管系、中枢神経系及び呼吸器系が安全性薬理コアバッテリーにおいて試験すべき項目となっている。今回、Whole Body Plethysmograph(WBP)法を用い、ラットに各種薬物を投与して、呼吸機能パラメーターに及ぼす影響を評価した。<実験方法>実験には、8週齢の雄性SD系ラットを用い、Morphine hydrochloride、Baclofen及びChlorpromazine hydrochlorideを経口投与後、呼吸機能測定システム(ソフトウェア:Ponemah Physiology Platform、Data Science International Inc.)を用いて、呼吸機能パラメーター(呼吸数、1回換気量、毎分換気量)の測定及び解析を実施した。<結果>Morphine hydrochloride(100 mg/kg)は、呼吸数及び毎分換気量を増加させたが、1回換気量は変化させなかった。Baclofen(30 mg/kg)は呼吸数を減少させ、1回換気量を増加させたが、毎分換気量は変化させなかった。Chlorpromazine hydrochloride(100 mg/kg)は、呼吸数及び毎分換気量を減少させたが、1回換気量は変化させなかった。<結論>WBP法を用いてラットにおける呼吸機能に対する薬物の作用を評価できることが示唆され、本法は安全性薬理コアバッテリーの評価法として有用であると考えられた。
著者
劉 艶薇 坂本 紘 戸門 洋志 福崎 好一郎 宮嶌 宏彰
出版者
日本獸医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 = Journal of the Japan Veterinary Medical Association (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.60, no.11, pp.809-812, 2007-11-20
被引用文献数
1

2002年に中国から輸入した3,148頭の実験用カニクイザルについて、35日間の輸入検疫を行い、体重測定を含む一般臨床観察、細菌学的ならびにウイルス学的検査を実施した。このうち165頭が一時的に食欲不振、258頭が1回以上の下痢を示したが、大多数は健康状態に異常を認めず、体重増加は平均雄0.26kg、雌0.16kgであった。臨床的にマールブルグ病ならびにエボラ出血熱を疑う個体は1例も観察されなかった。サルモネラ属菌と赤痢菌の培養およびツベルクリン反応は全例が陰性であった。3,148頭から無作為抽出した829頭の血清において、サルD型レトロウイルスおよびサル免疫不全ウイルス抗体はすべて陰性であった。しかしBウイルスについては400頭中39頭(9.7%)が抗体陽性であった。