著者
仲田 祐 佐藤 博俊 斉藤 泰紀
出版者
The Japan Lung Cancer Society
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.26, no.7, pp.727-736, 1986

昭和57年~59年の3年間に延べ363,320名の間接レ線読影により82例の原発肺癌, 6例の転移肺癌を発見した.又, 高危険群 (50才以上喫煙指数600以上) の喀疾細胞診により67例の悪性腫瘍を発見し, 原発肺癌は62例であった.尚喀疾細胞診発見肺癌は82.3%がレ線写真無所見であった.<BR>経年実施回数別の肺癌発見率は, 初回10万対比45, 2回目は38, 3回目は15に減少した.切除率は63.6%, 76.1%, 80%と上昇し, 全体で切除例の57%が早期例であった.特に喀疾発見症例は51例中45例が切除され, うち40例 (89%) が早期例であった.
著者
永元 則義 斉藤 泰紀 佐藤 雅美 佐川 元保 菅間 敬治 高橋 里美 薄田 勝男 藤村 重文 仲田 祐 大久田 和弘
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学
巻号頁・発行日
vol.15, no.5, pp.399-405, 1993

胸部X線写真無所見肺癌切除例149例中に認められた37例の隆起性病変の気管支における増殖特性を検索し, 術式の選択について考察した。肉眼所見から四型に分類できた。隆起した癌が内腔に全周性に増殖し気管支を狭窄しているもの(AC型 : 輪状狭窄型), 非全周性に一部が内腔に突出し, その周囲に表層浸潤を伴うもの(PSE型 : 進展性ポリープ型)と伴わないもの(LP型 : 限局性ポリープ型)があり, LP型はさらに有茎性(PLP型)と無茎性(NLP型)に分けられた。これら四型についてさらに組織学的に検索し, 気管支壁への深達性, 癌の広がり, リンパ節転移を検討した。以上の結果, (1)四型とも気管支鏡検査で隆起型をある程度推定しうる可能性がある, (2)PLP型, 横径小のNLP型およびPSE型は局在部位によっては区域切除やスリーブ葉切の適応となりうる, (3)AC型と横径大のNLP型は癌の根治性から考えて標準的な術式が妥当であろう, と考えられた。