著者
吉仲 亮 岩下 洋哲 川原 純 斎藤 寿樹 鶴間 浩二 湊 真一
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.57, no.11, pp.616-622, 2012-11-01

本稿では,フロンティア法による,与えられたグラフ上の特定の制約を満たす部分グラフ抽出の具体的応用例として,ナンバーリンクとスリザーリンクと呼ばれるパズルそれぞれのための解答器と問題生成器のアルゴリズムを提案し,実験結果を報告する.また,この技術を用いたスリザーリンクの問題作成支援についても議論する.
著者
戸田 貴久 斎藤 寿樹 岩下 洋哲 川原 純 湊 真一
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.3_97-3_120, 2017-07-25 (Released:2017-08-09)

列挙問題とは,与えられた条件を満たす対象(解)をすべて求める問題であり,電力網解析など社会のさまざまな問題への応用がある.さまざまな組合せ列挙問題に対して,問題の解集合を表現するデータ構造ZDDを高速に求める方法(トップダウンZDD構築法)を通して元の問題を効率的に解く汎用的な手法の研究が近年盛んに行われている.本論文ではトップダウンZDD構築に焦点を絞り,基礎となるアルゴリズムから,複雑な問題制約に対処するための発展的手法,プログラミングツールTdZddの基本的な使い方,さらに,具体的な応用問題を例にしたプログラミングまで解説する.
著者
斎藤 寿樹 川原 純 吉仲 亮 鈴木 拡 湊 真一
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告アルゴリズム(AL) (ISSN:21862583)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.17, pp.1-6, 2011-02-28
被引用文献数
1

与えられたグラフ中のパスを列挙する問題は古典的な問題である.これまで,解を列挙するアルゴリズムや解の数を数えるアルゴリズムがいくつか提案されているが,一般に解の数は極めて多く,解の数を求める問題は #P-完全であるため,満足のいく高速な列挙アルゴリズムの実現は難しい.近年 Knuth は,ZDD (Zero-suppressed Binary Decision Diagram) を用いた任意のグラフの任意の 2 点間を端点とするパスを列挙するアルゴリズムを提案した.ZDD とは集合族を圧縮して表現できるデータ構造である.グラフの経路を辺の集合と同一視することによって,経路の集合は ZDD で表現することができる.提案されたアルゴリズムは,出力結果がパス集合の ZDD による圧縮表現であり,従来手法に比べ高速に動作する.本発表では,まず Knuth のアルゴリズムを紹介し,次に Knuth のアルゴリズムを基にした筆者らによる多項式回の ZDD の基本演算でパスの列挙を行うアルゴリズムを提案する.これらの手法と既存手法との比較実験を行い,ZDD によるパスの列挙手法の利を論ずる.The listing of all paths in a given graph is a classical problem. Although there are known algorithms for the problem, the number of the solutions tends to be huge and the counting problem is #P-hard. Recently, Knuth has proposed an algorithm for enumerating paths by using the ZDD (zero-suppressed binary decision diagram). The ZDD is a condensed representation of a family of sets. By identifying a path in a graph as a set of edges, the sets of paths can be represented by ZDD. His algorithm outputs a ZDD representing a set of paths. In this paper, we first introduce Knuth's algorithm, and propose an algorithm where ZDD operations implemented polynomial many times by extending Knuth's algorithm. We experiment with these algorithms and a known enumeration algorithm, and discuss the advantage of the algorithms using ZDD from the experimental result.