著者
新井 哲夫
出版者
美術科教育学会
雑誌
美術教育学:美術科教育学会誌 (ISSN:0917771X)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.27-44, 2014-03-20 (Released:2017-06-12)

本稿の目的は,創造美育運動に関するイメージの混乱を整理し,事実に即したより正確な定義を導くことにある。そのために,これまでに流布している創造美育運動に関する代表的な4つの言説を取り上げ,文献資料及び先行研究の成果に基づいて検証することにより,事実関係を明らかにすることを試みた。その結果,「(1)創造美育運動とは,創造主義美術教育を啓蒙,普及しようとする明確な意思に基づいて行われた,戦後の日本における美術教育の改革運動であり,その組織や運動の形態には創造美育協会設立の前と後とで質的に大きな相違がある」こと,及び「(2)創造美育運動の基本理念である創造主義美術教育は,久保貞次郎が欧米と日本の児童画の比較研究から得た知見をもとに,ホーマー・レイン,フランツ・チゼック,北川民次らの思想や実践に学び,構築したわが国固有の児童中心主義の美術教育である」ことを明らかにした。
著者
新井 哲夫
出版者
美術科教育学会
雑誌
美術教育学:美術科教育学会誌 (ISSN:0917771X)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.15-33, 2019

本研究の目的は,欧米視察旅行(以下,欧米旅行)が久保貞次郎の批評家としてのキャリア形成に与えた影響と欧米旅行実現に至った背景を明らかにすることである。研究は,貞次郎が戦前・戦中に執筆した雑誌記事,同時期における貞次郎の実生活上の経験に関わる文献,戦後の回想記等を対象に文献研究法によって行った。その結果,欧米旅行が貞次郎の美術及び児童美術の批評家としてのキャリア形成に決定的影響を与えたこと,欧米旅行に至る背景については,エスペラント運動の経験と婚家の経済的支援が必須の前提条件となり,社会教育研究生の経験が自らの将来像を見直す機会を与え,それが大学院進学に繋がり,大学院時代に参加した日米学生会議における北米体験が欧米旅行実現の直接的な動因となったことを実証的に明らかにした。
著者
新井 哲夫
出版者
美術科教育学会
雑誌
美術教育学:美術科教育学会誌 (ISSN:0917771X)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.15-33, 2019 (Released:2020-04-28)
参考文献数
56

本研究の目的は,欧米視察旅行(以下,欧米旅行)が久保貞次郎の批評家としてのキャリア形成に与えた影響と欧米旅行実現に至った背景を明らかにすることである。研究は,貞次郎が戦前・戦中に執筆した雑誌記事,同時期における貞次郎の実生活上の経験に関わる文献,戦後の回想記等を対象に文献研究法によって行った。その結果,欧米旅行が貞次郎の美術及び児童美術の批評家としてのキャリア形成に決定的影響を与えたこと,欧米旅行に至る背景については,エスペラント運動の経験と婚家の経済的支援が必須の前提条件となり,社会教育研究生の経験が自らの将来像を見直す機会を与え,それが大学院進学に繋がり,大学院時代に参加した日米学生会議における北米体験が欧米旅行実現の直接的な動因となったことを実証的に明らかにした。
著者
新井 哲夫
出版者
美術科教育学会
雑誌
美術教育学:美術科教育学会誌 (ISSN:0917771X)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.27-44, 2014

本稿の目的は,創造美育運動に関するイメージの混乱を整理し,事実に即したより正確な定義を導くことにある。そのために,これまでに流布している創造美育運動に関する代表的な4つの言説を取り上げ,文献資料及び先行研究の成果に基づいて検証することにより,事実関係を明らかにすることを試みた。その結果,「(1)創造美育運動とは,創造主義美術教育を啓蒙,普及しようとする明確な意思に基づいて行われた,戦後の日本における美術教育の改革運動であり,その組織や運動の形態には創造美育協会設立の前と後とで質的に大きな相違がある」こと,及び「(2)創造美育運動の基本理念である創造主義美術教育は,久保貞次郎が欧米と日本の児童画の比較研究から得た知見をもとに,ホーマー・レイン,フランツ・チゼック,北川民次らの思想や実践に学び,構築したわが国固有の児童中心主義の美術教育である」ことを明らかにした。

1 0 0 0 IR 昆虫と食文化

著者
新井 哲夫 東野 秀子
出版者
山口県立大学
雑誌
山口県立大学学術情報 (ISSN:18826393)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.106-123, 2009-03-31
著者
新井 哲夫
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.49-55, 1979-03-30
被引用文献数
3

Hatching in Gampsoleis buergeri was synchronized neither in continuous darkness nor in continuous light at any temperature. However, it occurred synchronously at around sunrise under natural light conditions at about 24℃, and also at around lights-on in an artificial photoperiod of 12-hr light : 12-hr dark at temperatures between 15 and 25℃. The hatching in thermoperiods (12-hr warm phase : 12-hr cool phase) was concentrated at 8-10 hr after the temperature down in continuous darkness but spread over the entire cool phase in continuous light. Hatching was also synchronized by a single light-dark shift, a temperature down or a high temperature pulse in otherwise constant conditions. when eggs were transferred from cyclical to constant external conditions, the daily rhythm of hatching disappeared almost at once. It seems, therefore, that any circadian oscillator is not explicitly involved in the determination of hatching time. The direct response to a single stimulus of light or temperature was different between G.buergeri and Metrioptera hime, but in other respects their responses were similar, which suggest that they share the same basic system of time measurement.