著者
新井 雅信 中津 雅美 袖山 信幸 三條 伸夫 三谷 雅人 小林 一成 織茂 智之 芝 紀代子
出版者
日本電気泳動学会
雑誌
生物物理化学 (ISSN:00319082)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.243-248, 1994

著者らはα<sub>1</sub>-antichymotrypsin (ACT) の糖鎖の違いが疾患特異的に存在するか否かを検討する目的で, 交差親和免疫電気泳動法 (CIAE) に着目した. CIAEは一次元, 二次元とも支持体に1%アガロース, 親和性リガンドにはコンカナバリンA (Con A) を用いた. 基礎的検討から一次元ゲルのCon A濃度は0.1%, 二次元ゲルの抗ACT抗体濃度は0.3%, 染色法は4-methoxy-1-naphthol 法が最も優れていることが判明した. 数例の対照群, アルツハイマー型痴呆 (DAT) 患者, パーキンソン病 (PD) 患者の血清, 髄液を本法に適用した. いずれのサンプルも類似した4本より構成されるピークが認められたので, 最も陰極側のピークからACT1~4と名づけた. 血清ACT4は対照群に比べ, PD, DATでは増加傾向を示し, 髄液ACT1, ACT4では対照群に比べDATで低下傾向を示した. 本法は蛋白濃度の低い体液の糖蛋白の検討に有用と思われた.
著者
嶌田 聡 大塚 作一 伴野 明 新井 雅信
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス
巻号頁・発行日
vol.96, no.581, pp.107-113, 1997-03-17
参考文献数
16
被引用文献数
7

圧力センサによる歩行運動分析装置を検討する。複数歩の歩行運動を計測対象とする場合には、足圧データから各足領域を切り出すことが必要である。本論文では、歩き方や歩行速度、さらに、履き物に依存しない歩行運動の特徴として、歩行運動時の足の動き方に着目して足領域の位置を推定し、推定位置の周辺の領域をグルーピングすることにより足領域を自動抽出する方法を提案する。健常者23人の104サンプル、歩行障害患者67人の764サンプルの合計868サンプルを本方法により約98%の精度で切り出せることを確認した。また、処理時間はWSで1秒以下であった。