著者
新井 雅信 中津 雅美 袖山 信幸 三條 伸夫 三谷 雅人 小林 一成 織茂 智之 芝 紀代子
出版者
日本電気泳動学会
雑誌
生物物理化学 (ISSN:00319082)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.243-248, 1994

著者らはα<sub>1</sub>-antichymotrypsin (ACT) の糖鎖の違いが疾患特異的に存在するか否かを検討する目的で, 交差親和免疫電気泳動法 (CIAE) に着目した. CIAEは一次元, 二次元とも支持体に1%アガロース, 親和性リガンドにはコンカナバリンA (Con A) を用いた. 基礎的検討から一次元ゲルのCon A濃度は0.1%, 二次元ゲルの抗ACT抗体濃度は0.3%, 染色法は4-methoxy-1-naphthol 法が最も優れていることが判明した. 数例の対照群, アルツハイマー型痴呆 (DAT) 患者, パーキンソン病 (PD) 患者の血清, 髄液を本法に適用した. いずれのサンプルも類似した4本より構成されるピークが認められたので, 最も陰極側のピークからACT1~4と名づけた. 血清ACT4は対照群に比べ, PD, DATでは増加傾向を示し, 髄液ACT1, ACT4では対照群に比べDATで低下傾向を示した. 本法は蛋白濃度の低い体液の糖蛋白の検討に有用と思われた.
著者
中村 哲 翠川 裕 波部 重久 松田 肇 翠川 薫 渡部 徹 中津 雅美 二瓶 直子 鈴木 琴子 黒倉 壽 風間 聡 三好 美紀 桐木 雅史
出版者
独立行政法人国立国際医療研究センター
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010

ラオス国との共研究の主対象となったラオスの消化管寄生虫感染症に関して、現地調査により山岳部と平地とで寄生虫相が異なることを示唆した。特に淡水魚類の生食を介して感染するタイ肝吸虫類の感染が都市周辺域において顕著に高いことを示した。さらに、山岳地居住民の感染率と健康調査データの解析からリスク因子として、年齢や識字率、集落での衛生的な飲み水の利用割合、民族の比率を見出した。そして、これらの因子による重回帰で得られるリスクマップを含めた、地区内または広域でのリスク管理手法を示した。