著者
新原敦介 河野 仁一 海谷 治彦 佐伯 元司
雑誌
情報処理学会研究報告ソフトウェア工学(SE)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.30(2003-SE-144), pp.99-106, 2004-03-18

本稿では,要求獲得の段階でステークホルダのギャップを識別する手法を提案し,実験を通してその手法の有効性について確認した.本手法では要求分析手法として,我々が提案した属性付きゴール指向要求分析法AGORA(Attributed Goal Oriented Analysis)を用い,その支援ツールを用いる.そして我々は,ステークホルダのギャップとして,解釈の違いによって起こるものと評価の違いによって起こるものの二つに着目し,これらをAGORAの満足度行列から識別する.これは,満足度行列に,ゴールの誤解や利益供与の違いが特徴的に表れるからである.実験結果の分析を通して,我々は他の種類のギャップを検出した.そしてどのようにこれらのギャップを検出して,解決するべきか論じた.
著者
新原 敦介 小川 秀人 鷲崎 弘宜
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.922-938, 2014-02-15

複数機器を組み合わせて機能を提供するシステムにおいて,各機器の仕様は定義されているが,機器の組合せによって表出するシステム仕様や,システム仕様と各機器の仕様との関係は暗黙知となっていることがある.またそれらのシステムテストでは,テスト項目ごとに適切な機器を組み合わせてシステム構成を導出しテストを実施する必要がある.ここで,機器の組合せ作業は,前記の暗黙知を必要とし,多くの時間がかかり,テスト項目に対して漏れのリスクが生じる.本報告では,各機器だけではなく,機器が組み合わさり生じる仕様に対してもフィーチャ分析を行い,その結果を用いてテスト項目を分析し,充足可能性判定を利用してテスト項目を網羅するシステム構成群を導出する方法を提案する.また,ケーススタディとして,提案手法を仮想の多店舗向けPOSレジシステムに適用した.ケーススタディにおいて,従来のシステム構成導出に比べ提案手法では,テスト項目を網羅する妥当なシステム構成の導出が少ない時間で可能であった.