著者
松原 淳一 藤田 善幸 橋本 明美 新浪 千加子 伊藤 俊之 丸山 正隆
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病學會雜誌 = The Japanese journal of gastro-enterology (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.102, no.3, pp.303-310, 2005-03-05
参考文献数
19
被引用文献数
9

1998年1月から2002年12月までの5年間に当院で経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)を施行した65歳以上の178例を対象とし,後ろ向きコホート解析を行った.術後7日以内の周術期死亡率は1.7%,30日以内の早期死亡率は5.9%,1年生存率は61.4%であった.術前のAlb,T-chol,ChE値が良いと生存率も有意に高かった.多変量解析では悪性疾患,T-chol値が予後に有意に関わっていた.術後の栄養状態の改善は有意だが限界があった.PEGは患者の状態から予測される予後や危険性を把握したうえでその適応の有無が決定されるべきであり,患者の長期生存とQOL向上の両立を考えることが重要である.<br>