著者
芳村 圭 新田 友子
出版者
土壌物理学会
雑誌
土壌の物理性 (ISSN:03876012)
巻号頁・発行日
vol.151, pp.27-34, 2022-07-20 (Released:2022-08-02)
参考文献数
16

これまで大気モデルの一部であった地表面パラメタリゼーションを,大気モデルから独立させ,統合陸域シミュレータ(ILS)を開発した.ILSとは,モデル単体ではなく,開発の枠組みに対する名称である.本解説では,その開発経緯と,ILSを用いた3つの事例を紹介した.実時間陸域水文予測への応用,3次元土壌分類パラメタセットの実装,そしてサブグリッドスケールでの水平方向の土壌水分輸送の実装である.諸外国の研究速度も鑑み,本研究並びに気候変動及び影響評価研究のさらなる進展のためには,陸域モデル開発体制のコミュニティ化(共同体化)が必要である.