著者
新田 隆司
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.57-70, 2022-12-20 (Released:2023-03-01)
参考文献数
38

本稿の目的は,離職者から以前の所属組織(移動元組織)にもたらされる知の「探索」の機会を通じて,移動元組織が新たな知識を社内に取りこみ商業化に結実させるオープン・イノベーションの実現過程を解明することである.燃料電池用の電解質膜の事例分析を通じて,研究者間の関係的社会関係資本を基に,移動元組織が離職者の移動先の組織と共同研究開発を実施し,組織間で知の「探索」と「活用」の両利きを実現する論理を示した.