著者
早川 真人 赤崎 満 西島 功 永野 貴昭 新里 建人 池村 綾 宮城 和史 伊波 潔 瀬名波 栄信 下地 光好
出版者
特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
雑誌
日本心臓血管外科学会雑誌 (ISSN:02851474)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.202-205, 2019
被引用文献数
1

<p>症例は78歳の女性.胸部異常陰影を指摘され,CTにて右大動脈弓,左鎖骨下動脈起始異常(ALSA)を伴うKommerell憩室(KD)を指摘された.自覚症状は認めなかったが,動脈瘤の最大径が63 mmであったことから手術の方針とした.手術は胸骨正中切開でアプローチし,側枝を作製した4分枝管人工血管を上行大動脈に端側吻合した.次に頸部分枝の再建を行った後,側枝よりConformable GORE<sup>®</sup> TAG<sup>®</sup>(W.L. Gore and Associates,34 mm×200 mm)をZone 0からTh 7の範囲に展開した.最後にALSAのコイル塞栓術を行い,最終確認造影ではエンドリークを認めなかった.術後36日目に独歩退院となり,術後2年目のフォローでは瘤径の縮小を認め経過は順調であった.</p>