- 著者
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日比野 久美子
- 出版者
- 学校法人滝川学園 名古屋文理大学
- 雑誌
- 名古屋文理大学紀要 (ISSN:13461982)
- 巻号頁・発行日
- vol.14, pp.41-48, 2014-03-31 (Released:2019-07-01)
グルテンを粉末状にした市販の活性グルテンには,添加物や乾燥法など製造方法により様々な種類があり,用途により使い分けられている.グルテンのドウを形成する際,副資材として用いられる食塩は,グルテン構成タンパク質であるグルテニンとグリアジンの相互作用に関わり,特にグリアジン会合体の形成に機能していることが明らかにされているが,他の塩類については詳細が不明である.本研究では,硬水が市販活性グルテンのネットワーク形成に与える影響を調べ,活性グルテンの種類によっては大きな影響を及ぼすことを明らかにした.特に,分散剤に酢酸を使用した市販活性グルテンは,共存イオンの影響を大きく受けた.アンモニアや還元剤処理グルテンでは,顕著な塩類の影響は認められなかった.