著者
日比野 久美子
出版者
学校法人滝川学園 名古屋文理大学
雑誌
名古屋文理大学紀要 (ISSN:13461982)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.41-48, 2014-03-31 (Released:2019-07-01)

グルテンを粉末状にした市販の活性グルテンには,添加物や乾燥法など製造方法により様々な種類があり,用途により使い分けられている.グルテンのドウを形成する際,副資材として用いられる食塩は,グルテン構成タンパク質であるグルテニンとグリアジンの相互作用に関わり,特にグリアジン会合体の形成に機能していることが明らかにされているが,他の塩類については詳細が不明である.本研究では,硬水が市販活性グルテンのネットワーク形成に与える影響を調べ,活性グルテンの種類によっては大きな影響を及ぼすことを明らかにした.特に,分散剤に酢酸を使用した市販活性グルテンは,共存イオンの影響を大きく受けた.アンモニアや還元剤処理グルテンでは,顕著な塩類の影響は認められなかった.
著者
近藤 みゆき 日比野 久美子 三田 弘子 宮澤 節子
出版者
名古屋文理大学
雑誌
名古屋文理大学紀要 (ISSN:13461982)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.137-143, 2011-03-31
被引用文献数
1

本学食物栄養学科では,平成20年度愛知県農林水産部食育推進課募集による「学園で食育・モデル事業」に採択され,「三世代を紡いでいくイキイキ健康クッキング」というテーマで,幼稚園児とその母親(保護者)と高齢者を対象に食育講座や料理教室,講演会という手法で活動を行った. ここでは,幼児の食生活の実態を報告する.平成20年6月N 市のS 幼稚園年長児109名の母親(保護者)に対して園児の食生活に関するアンケート調査を行った.この結果,朝食は「毎日必ず食べる」が96%,間食については「ほとんど毎日1回以上食べる」が9割以上をしめていた.食べ物の好き嫌いについては「少しある」「ある」が73%と多く,嫌いな食べ物は野菜やきのこ,牛乳が高率であった.食育については,幼児期までに始めるべきとの回答がほぼ10割で,「今よりよりよくしたいが時間的に難しい」が7割を超えた.
著者
日比野 久美子
出版者
学校法人滝川学園 名古屋文理大学
雑誌
名古屋文理短期大学紀要 (ISSN:09146474)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.1-15, 2004-04-01 (Released:2019-07-01)

機能性食品という名称と概念は世界に先駆け日本から発信されたものである.機能性食品の研究と開発の進展に伴い,食品中のフラボノイド・テルペノイド・揮発性物質などの非栄養性成分が疾病予防の上に有する機能を科学的に解明する研究が増加している.文部科学技術省は世界に先駆け非栄養性機能物質の体系化を目指し,食品成分表に記載されている植物について,フラボノイド・ポリフェノール類,テルペノイド・カロテノイド類,含硫化合物・揮発性成分・香辛物質等の含量と機能を分析・体系化して,現在試験的に"機能性食品因子データベース"としてホームページで公開している.これらの機能性成分は植物の二次代謝物質であり,様々な環境ストレスに対する植物の防御物質として機能していることが明らかにされつつあり,これらの物質については今後学際的な研究の広がりが期待される.