著者
宮澤 節子 鈴木 豊子 松尾 眞砂子 坂井 絵美
出版者
名古屋文理大学
雑誌
名古屋文理大学紀要 (ISSN:13461982)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.29-32, 2008-03

大豆テンペおよびピーナッツテンペの調理と嗜好性との関係について検討した結果,ピーナッツテンペ料理は大豆テンペ料理より味・香り・総合評価の3つの要素において好まれ,その間に有意差がみられた.一方,大豆テンペは本研究のパネルに好まれない傾向を示した.嗜好性からみた調理適性については,いずれのテンペも天ぷら(揚げる)・スコーン(焙焼)の嗜好性が高く,ペースト(生)・みぞれ和え(蒸し物)・焼き物(素焼き)においてはテンペの種類により嗜好のばらつきがみられた.特に,大豆テンペのペーストの味,焼き物の味と香りが著しく好まれない傾向であった.
著者
近藤 みゆき 日比野 久美子 三田 弘子 宮澤 節子
出版者
名古屋文理大学
雑誌
名古屋文理大学紀要 (ISSN:13461982)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.137-143, 2011-03-31
被引用文献数
1

本学食物栄養学科では,平成20年度愛知県農林水産部食育推進課募集による「学園で食育・モデル事業」に採択され,「三世代を紡いでいくイキイキ健康クッキング」というテーマで,幼稚園児とその母親(保護者)と高齢者を対象に食育講座や料理教室,講演会という手法で活動を行った. ここでは,幼児の食生活の実態を報告する.平成20年6月N 市のS 幼稚園年長児109名の母親(保護者)に対して園児の食生活に関するアンケート調査を行った.この結果,朝食は「毎日必ず食べる」が96%,間食については「ほとんど毎日1回以上食べる」が9割以上をしめていた.食べ物の好き嫌いについては「少しある」「ある」が73%と多く,嫌いな食べ物は野菜やきのこ,牛乳が高率であった.食育については,幼児期までに始めるべきとの回答がほぼ10割で,「今よりよりよくしたいが時間的に難しい」が7割を超えた.
著者
石井 貴子 宮澤 節子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.23, pp.122, 2011

【<B>目的</B>】従来,行事食や儀礼食は各家庭において親から子へと伝承され,ハレの日の食事として共に祝ってきた。しかし近年では家庭から行事食等が消えつつあり,子の代に伝承されなくなってきた様に思われる。そこで食や栄養について学んでいる本学学生が,行事や儀礼およびそれらにまつわる食についてどれだけ認識・経験しているか,その現状を調査した報告を行う。<BR>【<B>方法</B>】2009年12月~2010年2月,本学学生およびその家族を対象に自記入式のアンケート用紙(調査用紙は日本調理科学会作成全国統一様式を使用)を配布し,後日回収した。今回はその中より本学学生190名(全体の82%)を調査対象とし,行事17種,儀礼13種の認知度等について集計を行った。<BR>【<B>結果と考察</B>】認知度の高い行事は大晦日,正月・節分・クリスマスであり,これらの行事を認知している人の90%以上が経験もしていた。逆に認知度の低い行事は,重陽の節句であった。また喫食経験率の高いものは,クリスマスケーキ,冬至の南瓜,年越しそば,うなぎの蒲焼であった。低いものとして重陽の節句の菊酒の経験が一人だけあった。通過儀礼では七五三,誕生日,成人式の認知度が高く,低いものはお七夜,百日祝いであった。儀礼食では,お赤飯(小豆飯)が祝い事の席ではよく食べられていた。また誕生日のケーキ,千歳飴の喫食率が高かった。行事・儀礼いずれも認知度・喫食率の高いものは,各家庭や各種教育機関等での経験,食材や料理の調達しやすさ,マスコミュニケーションの影響が考えられる。またお七夜や百日祝いは対象が生後間もない頃の儀礼のため,本人の認知度が低かったと考えられる。