著者
日野 祥智
出版者
記録管理学会
雑誌
レコード・マネジメント : 記録管理学会誌 (ISSN:09154787)
巻号頁・発行日
no.61, pp.72-79, 2011-12-26

脚本は、映画や放送番組の骨格でありそれ自体が貴重なメディアアセットであるにも拘わらず、映画や放送番組の完成と同時に捨てられる宿命を帯びてきた。本稿では、「脚本」という文化資源アーカイブの構築に着目し、その課題と未来展望を論じる。具体的には、東京大学大学院の馬場章氏の脚本アーカイブ構想、吉見俊哉氏の文化資源アーカイブ理論、小川千代子氏の記録のライフサイクル論の三種の先行理論を用いて、筆者の考える脚本アーカイブの新モデルを導き出す。このモデルに立脚し、脚本それ自体のデジタルアーカイブ化を一歩進め、脚本により作成された映画やテレビ番組の動画映像に脚本が持つテキスト情報を同時に見せることを可能とした著者開発の動画連動型脚本検索エンジンの機能及び特色を紹介し、脚本アーカイブの未来への展望を述べる。
著者
小川 千代子 日野 祥智 益田 宏明 秋山 淳子 石橋 映里 小形 美樹 菅 真城 北村 麻紀 君塚 仁彦 西川 康男 船越 幸夫
出版者
記録管理学会
雑誌
レコード・マネジメント (ISSN:09154787)
巻号頁・発行日
vol.78, pp.54-65, 2020

<p> 記録管理学体系化に関する研究は、2016年度から3年計画でスタートし、2018年度は3年目の最終年度にあたる。2016年度、2017年度の研究成果を踏まえ、2018年度には記録管理学の体系を導き出すことを目指して研究を行った。2018年度は、4回の研究会を開催するとともに、各メンバーによる個別担当の研究を行い、それを取りまとめるための記録管理学体系化の方向性を模索した。各メンバーは各自が記録管理における関心のあるテーマの考察レポートを作成し、これらを研究代表者である小川千代子が、2017年度の記録管理学体系化プロジェクト研究報告(学会誌「レコード・マネジメント」)で描いたところの体系化予想項目の中に関係づけ、その時の成果である記録管理学体系の3層構造に肉付けを行った。</p>