著者
下田 尊久 石橋 映里
出版者
記録管理学会
雑誌
レコード・マネジメント (ISSN:09154787)
巻号頁・発行日
vol.76, pp.47-63, 2019 (Released:2019-03-25)

地方における民間放送会社制作のラジオ・テレビ番組作成過程で作られた原資料、とくにドラマ放映後の台本・脚本等について、社内保存の可能性を検討した。すなわち、これら資料の一次情報資源としての自社内アーカイブズの有用性と、その検証プロセスが記録管理を学ぶ学生にとって社会貢献を可能にする実務研修課題であると仮定した。そこで大学の図書館情報学課程が実施している放送脚本等を教材としたアーカイブズ構築の可能性を求める産学連携プログラムに注目した。 本研究が対象とした大学と地方企業の連携による協働プログラムでは、図書館情報学課程の学生による番組制作過程の一次資料の整理とアクセス環境整備のためのデータベース準備作業、さらに活用のためのアイデアの提供がなされていた。本プロジェクト研究は、このプログラムによる活動が、記録管理の理解と普及にとって有効であることを明らかにする試みである。
著者
小川 千代子 日野 祥智 益田 宏明 秋山 淳子 石橋 映里 小形 美樹 菅 真城 北村 麻紀 君塚 仁彦 西川 康男 船越 幸夫
出版者
記録管理学会
雑誌
レコード・マネジメント (ISSN:09154787)
巻号頁・発行日
vol.78, pp.54-65, 2020

<p> 記録管理学体系化に関する研究は、2016年度から3年計画でスタートし、2018年度は3年目の最終年度にあたる。2016年度、2017年度の研究成果を踏まえ、2018年度には記録管理学の体系を導き出すことを目指して研究を行った。2018年度は、4回の研究会を開催するとともに、各メンバーによる個別担当の研究を行い、それを取りまとめるための記録管理学体系化の方向性を模索した。各メンバーは各自が記録管理における関心のあるテーマの考察レポートを作成し、これらを研究代表者である小川千代子が、2017年度の記録管理学体系化プロジェクト研究報告(学会誌「レコード・マネジメント」)で描いたところの体系化予想項目の中に関係づけ、その時の成果である記録管理学体系の3層構造に肉付けを行った。</p>
著者
小川 千代子 秋山 淳子 石井 幸雄 石橋 映里 菅 真城 北村 麻紀 君塚 仁彦 西川 康男 廣川 佐千男 船越 幸夫 益田 宏明 山﨑 久道
出版者
記録管理学会
雑誌
レコード・マネジメント (ISSN:09154787)
巻号頁・発行日
vol.73, pp.44-59, 2017

<p> 本研究は3か年計画で記録管理学という学問分野の体系化を目的とする第1年目の成果である。ここでいう記録管理学体系化とは、実務者が、自身が経験した個別事例を一般化された記録管理体系の中に位置づける手がかりを求め、そこから文書管理実務の観察、検討、改善への道筋を探れるようになることを意図している。たとえば記録連続体論は、記録の存在を研究観察対象として論じる。だが、現実的実務につながるという面で見ると、記録管理学は長くその体系化の必要が叫ばれながら、事例紹介の蓄積にとどまり、体系の大枠すら明確ではない。そこで、初年度は文書管理の実務者が業務遂行上依拠する現状の文書制度に基づき、記録管理学の体系化の糸口を探ることとした。研究では、諸文書管理例規を収集し、用語と定義の比較分析を行った。</p>