著者
日高 孝之 中川 武彦
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.72, no.9, pp.551-561, 2016-09-01 (Released:2017-07-01)
参考文献数
33

板状に成形加工された多孔質材で構成した有孔板の吸音特性について報告する。このタイプの材料は通常, 吸音性能を得るため塗装表面には細孔が設けられるが, その吸音メカニズムは通常の孔あき吸音板とは若干異なっている。本報告では細孔の設けられた塗装面と多孔質材を対象として, 材料表面から見た音響インピーダンスの計算式を求める。既存の多孔質成形板の音響性能の実測結果に基づき, 2種のモデル試験体の垂直入射吸音率の測定値と計算値の比較を行い, 当該音響モデルの妥当性について検討する。最後に, 若干の垂直入射吸音率の数値計算例を示し, 材料パラメータが及ぼす影響, 及びこのタイプの吸音材料の性質について述べる。
著者
ベラネク レオ 日高 孝之
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.61-71, 2001-12-25
被引用文献数
1

本報告では, 多数のコンサートホールについて音響品質の主観評価順位と音響物理量を比較する。検討した物理量は残響時間, 初期残響時間, 側方エネルギー比(低域側4帯域と中音3帯域), 両耳間相互相関係数(80msで分離した初期と後部の中音3帯域), 初期時間遅れ, 低音残響比, 中音の音量因子G_<mid>125Hzの音量因子G_<low>表面拡散指数, サポートST1である。主観評価順位に高く相関した物理量は順に, [1-IACC_<E3>](「両耳品質指数BQI」と呼ぶ), 中音の初期残響時間EDT_<mid>125Hzの音量因子G_<125>(目視による)表面拡散指数SDI, 親密感ITDGとなった。