著者
灘本 雅一 山下 将貴 日高 正博 後藤 幸弘
出版者
日本教科教育学会
雑誌
日本教科教育学会誌 (ISSN:02880334)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.71-82, 2017

本稿は,ベースボール型ゲームの戦術の系統に基づいて考案された三つの「課題ゲーム」の積み上げ単元学習の有効性を明らかにすることを目的とした。すなわち,小学校5年生を対象に「フォースアウト・ハンドベース」,「ラケット・ベースボール」,「シフトプレイ・ソフトボール」の三つの「課題ゲーム」の技能的側面(個人的技能・集団的技能),戦術の認識的側面,情意的側面および態度的側面の学習効果についてノーマルゲームを中心に学習する対照授業との比較から検討した。その結果,「課題ゲーム教材」の積み上げ単元学習は,個人的・集団技能を向上させ,戦術行動の認識度を対照授業よりも向上させることが認められた。また,情意的側面及び態度的側面の成果を高め,体育授業に対する愛好度を高め得た。以上のことから,課題ゲーム教材の積み上げ単元学習は,有効性が高いと考えられた。
著者
後藤 幸弘 日高 正博
出版者
宝塚医療大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

ハードな身体接触を伴う運動(「組ずもう」「カバディー」)は、身体接触を避けるように企図した運動(「棒ずもう」「タグカバディ」)よりも児童の攻撃的な感情の表出を押さえ、身体への気づきを高め得ることが認められた。また、「筋出力の制御力」の向上には、身体接触よりも大きな力を発揮するこの影響が示唆された。さらに、「組ずもう」と「カバディ」の学習効果は、量的に見た場合いずれの側面においても3・4年生よりも2年生で大きいと評価された。